ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

日本の歪み

養老孟司茂木健一郎東浩紀の「日本の歪み」を読んだ。図書館で借りた。

日本の歪みは明治維新と敗戦にあった。それはそうかもしれない。

ただそれと日本にいる現代人の生きづらさとは別なような気もする。

養老さんは本当にすごいし面白いし年長者は敬わないといけないのは当然なんだけど、養老さんちやほやみたいなのがちょっと気持ち悪かった。僕は年長者は年長ってだけで敬うべきだと思うけど、男同士でそういうのやるとマッチョとかって言われるし、こういうのほんとうにどうしたらいいのか分からない。

一つだけ納得だったのはメディアとかに出ず、目立たないように生きたほうがいいということ。これは本当にそうだと思う。目立つより目立たずにやることやってる人が一番いいと思う。僕も早く仙人みたいになりたい。

超改訂版難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

「超改訂版難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」を読んだ。

以前NISAとiDeCoをはじめようとはじめようとおもったとき、これの前のバージョンを読んで大変参考になった。新NISAに対応していると書いてあったので、たまっていたアマゾンのポイントで買って読んだ。

以前のバージョンはTOPIXと外国株式のインデックスファンドを半々でという内容だったが、新しいほうはオルカン一本になっていた。

僕もNISAとiDeCoをはじめたときはこの本のとおりTOPIXと外国株式を半々で買っていた。NISAについては最初にまとめて買った時がコロナで底値だったのもあって、4年間で結構増えた。たまにS&P500なども買ったりしたがそれも今のところはいいペースで増えている。TOPIXは今年に入ってからかなり増えた。今年からはじまった新NISAではこの本にあるようにオルカン中心でたまにS&P500やTOPIXを買っている。旧NISAの保有期限もそろそろなので売り時を見計らっていたけどよくわからんから適当に今のタイミングで売って新NISAでまとめてオルカン買ったり積立NISAの原資にする。

iDeCoは最初設定してからほぼみていなかったけど、確認したらNISAと同じくらいの割合で増えていた。外国と国内のインデックス半々になっているので、オルカンにちかいやつを探して切り替えようかな。

あとは頑張って働いて原資を増やしたいなー。NISAがある程度の金額になっても普通の口座では株は持たず、10年国債とかを適当に足していこうと思う。

新NISAがはじまって周りでもやりたいという話をちらほら聞くけど、ユーチューブとか観ずに、みんなこの本を読めばいいと勧めている。半日もあれば読めるのに、みんななかなか本読まないんだよな…。

遮光

中村文則の「遮光」を読んだ。

文庫をバリューブックスで買った。

何かを持ち歩いている感じは「銃」に似ている。銃は持っていることで狂ってしまう。これは持っている前から狂いかけていたのかもしれないし、これを持ちながら虚言癖になることでなんとか生きていたのかもしれない。本当のことを言ったり認めてしまったりすると壊れてしまうような。

悪意の手記

中村文則の「悪意の手記」を読んだ。

バリューブックスで文庫を買って読んだ。

人を殺してしまった苦悩が描かれていて、それに悩まされないためにより悪い人間になろうとする。人を殺した人間は生きていていいのか、人を殺した人間を殺してもいいのか、そのあたりがこの後の小説に書かれていたような気がする。

最近100分de名著のハイデガーの回をみた。不安や恐れはどうやってもなくならない。それを受け入れてはじめて自分の人生に目覚めることができるらしいのだが、なかなかできそうにない。どうせ死ぬんだしというのもわかるんだけどなかなか…。

 

 

カフカの「城」を読んだ。

新潮文庫のやつをバリューブックスで買って読んだ。

最近ほしい本が出てきたらまず図書館で検索、なかったらバリューブックス、それでもなければアマゾンや本屋といった順で探したりしている。

バリューブックスのサイトで出てこなくても、アマゾンに出品しているバリューブックスにはあるという現象にも遭遇したのでどうなっているのかよく分からない。

例えばこの建築文化のバックナンバーは学生の頃大学に置いてあって穴が開くほど読み込んでいたもので、ずっと古書店などで探していたけどないのであきらめていた。

最近バリューブックスでもしやと思い検索したけど見つからず、ダメもとでアマゾンで検索したらなぜかアマゾンに出品しているバリューブックスが4500円で出していたのですぐぽちった。ラヴィレットのコンペ案(OMA)やハノーヴァー万博オランダ館が掲載されていてすごくいい特集だった。ブリュニエという天才を知ったのもこの本だった(というかこれ以外の日本の本でみかけた記憶がない)。

城の話に戻るが、まあまあ長いしなんの話かよく分からないけど結局最後まで読んだら続きはどうなるのかすごく気になる話だった(この本は未完のままカフカが亡くなっているので)。城に仕事でよばれたけどいつまでたってもたどり着けないといった話で、自分を説明するものが職業になってしまった近代にあって、それがないことによる疎外感とか、官僚制が本来ひとのためにやっていることが、結局何のためにやっているのか分からなくなっている感じとかがえがかれている。

学生の頃ハイデガーを読んで疎外とか、現存在とか書いていた意味がちょっと分からなかったけど、城を読むとなんでハイデガーがそのあたりを問題にしていたのか分かる気がするし、今もそのときとたいして変わらない問題(疎外感や奇妙さ)があると思う。

 

 

 

 

 

建築家・内藤廣 BuiltとUnbuilt

「建築家・内藤廣 BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」を読んだ。

グラントワでやってた展覧会に行って、そこで買った図録のようなもの。

展覧会自体はものすごいボリュームでじっくりみると数時間では足りなかった(文字を全部読んだらこの本1冊分より多いはずなので)。

内藤廣のことは自分が学生の時から追っかけてて、近作やプロジェクトについても大体把握していると思っていたけど、全然知らないのが多かった。

全体を改めて眺めてみても、見に行きたいと思うのは海の博物館等初期のもの。それくらい学生の時に触れたものは影響大きいし、年をとるとあまり何も感じなくなる。ちひろ美術館・東京はもういちど行ってみたくなった。富山美術館と高田松原津波復興記念公園はまだ見てないから行ってみたい。

建築の雑誌もほとんど読まなくなって、日経アーキテクチュアを購読しているのと年末にGAJAPANを買うくらい。たまにa+uや住宅建築を買ったりするくらい。webのまとめとかも見ていない。ここ数年は新しいものはどれも同じようにみえてしまって、古いものにしか興味がわかなくなってしまった。

 

月と散文

又吉直樹の「月と散文」を読んだ。

エッセイ集で、ひとつが短いから空き時間に読むのにちょうどよかった。

日常におこった出来事に対して感じたことが書いてあったり、謎の設定の短い話(エッセイではないのでは)もあっておもしろかった。中村虚無の話(どの面さげて誰が言うとんねん)がいちばんおもしろかった。

虚無といえば最近読んだ虚山無夫の「ムーたち榎本俊二)」もおもしろかった。