ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

これからの建築士

「これからの建築士」を読んだ。

これからの建築士 職能を拡げる17の取り組み

これからの建築士 職能を拡げる17の取り組み

東京建築士会の「これからの建築士賞」という建築士の取り組みに対して与えられる賞の候補になったものが紹介されている。
どれもユニークなものばかりで、特にいいなと思ったのは「住宅遺産トラスト」だった。公共建築の保存運動はよく見かけるようになっていたけど、住宅の取り組みはあまりなかったのでは。住宅は個人のものだから、買ってくれる人を探さないといけないわけだけど、そこを粘り強く取り組まれていた。

僕はといえば、建築士会には所属しているけど、通常の仕事以外は何もやっていない。通常の仕事も小さな公共工事や、住宅(主に新築)をやっているだけでいわゆる一般的な地方の設計事務所だと思う。
若手の設計事務所ってリノベとかまちづくりといったのが目立つ昨今だけど、僕の同級生で事務所をやっているひとたちは、みんな地方で一般的な設計事務所をやっていてみんなそれなりに忙しそうだし、順調そう。僕が実感しているのは、新たな取り組みとかではなくて、そもそも地方では一般的な建築士事務所が足りていない。
僕も若いときはなにか新しいとりくみをしたり、特色のあることをやらないと、生き残れないような気がしていたけど、順番が逆で、従来通りの設計事務所をやっていれば仕事はくるから、新たな試みをする機会が与えられるんだと思う。
そういう意味でもそろそろ僕もなんかしないとなと思っているけど、あまり仕事を増やしたくないなとも思う。

死んでいない者

滝口悠生の死んでいない者を読んだ。

死んでいない者

死んでいない者

図書館で借りて読んだ。おじいさんの葬式の話なんだけど、親戚がたくさん出てきて誰が誰だか、誰がどこの子かぜんぜん覚えれなくて、何度も最初のほうを読み返して確認しながら読み進めていた、。途中から覚えれないのは作者の狙いで、覚える必要はなくて、実際の葬式も誰が誰だかわからないけど、なんとなく進んでいくのでそれでいいんだと気づいた。

アラフォー男子の憂鬱

常見陽平、おおたとしまさ編著の「アラフォー男子の憂鬱」を読んだ。

アラフォー男子の憂鬱 (日経プレミアシリーズ)

アラフォー男子の憂鬱 (日経プレミアシリーズ)

 

これも図書館に借りて読んだ。建築系以外だったらうちの近所の図書館に 、僕のアマゾンウィッシュリストに入っている本が割と置いてあることに気付いたので、その辺から優先的に読むようにしている。

この本はアラフォー男子というよりも、出版された2013年にアラフォーだった団塊ジュニア世代の本といった感じなので、少し下の僕とはちょっと世代差を感じるなと思った。プロレスもバンドブームもテレビゲーム、ガンダムも微妙にタイムリーじゃなかった。ただ、僕の周りの友達の中には小学校のころから週刊プロレスを愛読していたり、BOOWYのギターを家で練習している友達の兄ちゃんとかがいて、なんとなくその辺の雰囲気はわかる。そんな感じで今も僕はなんとなく人数の多いこの世代の文化や生き方をみて参考にしているようなところはあるかもしれない。実際僕が読んでいる本や聴いている音楽、ラジオのパーソナリティはこの世代の人が多い。

世代論って面白いんだけど、得してるとか割食ってるとか言い出すと不毛な感じになりがちだし、長いスパンで見ると大差ないんじゃないかと思うので話がそういう方向になるとあんまりだなと思ってしまう。僕も就職氷河期ど真ん中世代だけど、だからといって30年前に生まれたかったなとかは絶対に思わない。戦前と戦後ではかなり違うと思うけど、団塊の世代と自分たちは大差ないんじゃないかなと思う。

最近は大学のコスパのこともよく言われているけど、僕の周りを見渡すと、大学の偏差値関係なく頑張っている人がたくさんいるので、小手先の能力を上げることに時間を使ったりせず、僕らが大学に行っていたときのように毎日をだらだら徒然なるままに過ごして(最近の大学生は忙しいと聞くが)、これからどうやって生きていくかゆっくり考えればいいと思う。自分の子供たちのことを考えると世代がどうとかよりも、とにかくどんな社会になっても生きていけるような人になってほしい。

有線マウスの比較

先日買ったロジクールのM500がやっぱり自分には合わなかったみたい(重い)なので、Amazonで1500円以下のマウスをいくつか買って試してみた。ワイヤレスもいろいろ試したけど、軽さを求めると有線なんじゃないかと思う。

f:id:paychiku:20160501095347j:plain
左から、
Microsoft Wheel Mouse Optical(今まで使ってたやつ)
Microsoft Comfort Mouse 4500
Microsoft Basic Optical Mouse
Logicool LS1 Laser Mouse
Logicool Mouse M100R
 
①の Wheel  Mouse Optical はもはやいつ買ったか覚えてないくらい昔に買って、特にこだわりもなく選んだんだけど、今思うとフルサイズのマウスの中でもでかいほうかも。今は普通の値段では手に入りそうにないので、他のを探すことに。
 
②Comfort Mouse4500 はこの中では一番高価(といってもAmazonで1500円くらい)で、ボタンが左右についていたり、ホイールを左右に傾けたりできて便利なんだけど、やっぱちょっと重かった。多分この中では一番重い。ホイールスクロールがヌルヌルタイプでAmazonのレビューでは不評だったけど、そこはそこまで気にならなかった。
 
③のBasic Optical Mouse はこの中では持った感じが一番軽い。⑤のM100Rが届くまではこれが本命だったけど、ちょっと横幅が短いのが残念。くびれたような形をしていて、親指と薬指で挟むように持つときに若干窮屈に感じる。クリックの音がカチカチというよりもポチポチという音がして、安っぽいというか、安いからいいんだけど、ホイールがグレーなのも、できれば黒にしてほしい(安いからいいんだけど)。
 
④LS1はちょっと平べったい形で昔のマックについてた透明のマウスみたいなかんじ。質感とか形とかはこの中では一番おしゃれ系。ホイールを左右に傾けたりできるようになっていてこれも便利。重さがちょっとあって、この重さってのはポインタがぷるぷるならないために程よくしてあるみたいで、Adobe系のソフトとかを使うときはいいんだろうけど、CADだとスナップが効くから少々ぷるぷるなろうが、軽さを優先させた方がいいと個人的には思う。僕が使っているCAD(主にJWW)は右クリックを多用したり、左右のクリックを同時に押したりとかがあるのでマウスの形が平べったすぎると指を立てすぎるような感じになって疲れる。右クリックをあまり使わないならこのマウスは結構いいと思う。
 
⑤いろいろためしてみて結局落ち着いたのがロジクールの M100R。もった感じは③の次に軽いと感じる。メーカーのサイトに書いてある重さはケーブル込みなのかどうかちょっと分からないし、重さが同じでも形がかわると持った時に手にかかる力もちがうだろうからあまりあてにはできない。ケーブルは③より若干細て好み。価格はこの中で一番安くてなんとアマゾンで500円台。妙なくびれもなくて程よい大きさで、パソコンを買ったときについてくるマウスと同じような形状。安いけど解像度は他のマウスに劣らない。スクロールの音はこの中では一番でかいけど、特に気にならない(マウスを持ち上げたりする前提で探している時点で音のことはどうでもいい)。こういったクラシックな形をしたマウスが最近はあまりなくて、どこのメーカーも無線が主流になってきているみたいだからこれが生産中止にならないことを祈る。もうちょっと試してみてよければ安いしいくつか予備を買っておこうかなと思う。
 
ぼくは今までマウスには全然こだわってなくて、パソコンをさわりだして15年以上パソコンを買ったときについてくるような普通のやつを使っていたので、自分のマウスの持ち方がそれになれすぎていて矯正は難しかった。結局今回のマウス探しも、最初はなんかもっと便利で手が疲れないいいやつをと思っていたけど、途中からとにかく普通で軽くて今後も手に入りやすいものという条件にいつの間にか変わっていた。
 
今回いろいろ試してみてボタンがたくさんついてるやつは便利かなと思ったけどキーボードのショートカットのほうが早いような気もするので、あればあったほうがいいけどなくても特に困らない。ちなみにマイクロソフトロジクールもマウス設定用ソフトをダウンロードすれば中ボタンの設定ができるんだけど、ぼくは「アプリケーションの切り替え」が気に入っている。

1989年のテレビっ子

てれびのスキマさんの「1989年のテレビっ子」を読んだ。これも図書館で借りた。

僕は大学生になって一人暮らしをはじめるまでは自分の部屋にテレビがなくて、子供のときは思う存分テレビがみれるといった環境がなかったんだけど(代わりにラジオを聞いていた)、てれびのスキマさんとは歳が近いので、確かに1989年前後のテレビはおもしろかったなと思った。日曜日のいいとも増刊号をみるのがとにかく楽しみだったし、大人は平日にいいとも見れていいなと思ってた。

ただこういう自分の感覚ってちょっと気をつけないといけないなって思うのは、ありがちな昔はよかったな的なものというか、ただ単にそのころ自分が多感な時期だったからテレビや雑誌や音楽がおもしろかっただけなのかもなとも考えられる。

同じような話で、今は大変な時代だともよく言われるけど、いつでもみんな大変なのか、本当に昔に比べて大変なのかも公平に判断できないし、判断したって意味はないだろうから、今より昔が大変だったとしても、そのときに大変なものは大変なものとして、改善していったほうがいいにきまっている。

東京藝大物語

茂木健一郎の「東京藝大物語」を読んだ。図書館で借りた。

東京藝大物語

東京藝大物語

 

これは小説だと書いてあったのでフィクションだと思って読みはじめたのだが、読んでるうちに完全にフィクションなのか、実話にちょっと盛ったものなのかよくわからくなった。どっちでもいいんだけど結構おもしろかった。

東京藝大に入ってもアーティストとして食べていけるのは10年に一人なのかー、厳しいなーと思って読みながら、僕が行っていた大学の人たちのことを思い出した。建築学科はもちろん藝大や美大ほどじゃないけど、理系なのになぜか文系というか、芸術系というかそういった側面があって、僕はそこがなんだか気恥ずかしいというか、むずむずして嫌だったんだけど、なんだかんだでそこに魅力を感じていたことは否定できない。

今思えばみんなやっぱりちょっとづつイタイ感じだったし、僕も思い出したくないような恥ずかしいことがたくさんあるけど、それでこそ青春だし、全力を出している若者は多かれ少なかれイタイ感じになるんじゃないかと思う。

陽気なギャングは三つ数えろ

「陽気ギャングは三つ数えろ」を読んだ(Kindleで)。

前の同シリーズからかなり時間がたっていたのでキャラ設定(特殊能力など)を思い出すのに 時間がかかったけど、相変わらずおもしろかった。

最近の伊坂幸太郎は、登場人物に言わせるセリフがストーリーとかよりも、前に出ている印象(今回のだと週刊誌とかに対してどうかと思うことなど)。