ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

西加奈子の「i」を読んだ。

i(アイ)

i(アイ)

 

  みんなが大変なときに、自分はぼんやりしててもいいのか、といったことがテーマだったように読めた。ちょっとずつ時間が流れて、ああこの小説の時間は震災にむかっていってるなと気づいたときに、なんかいやな感じがしてしまった。

震災がテーマなのがいやというよりも、ちょうど同じころに読んでたマチネの終わりにも、話自体は全然違うけど、同じように震災が登場してきて、またかと思わざるを得なかった。

ビニール傘

岸政彦の「ビニール傘」を読んだ。図書館で借りて読んだ。

ビニール傘

ビニール傘

 

 何人か登場人物が出てくるんだけど、どこからどこまでがどの人の話か分かりにくかった。というかわからなかった。多分狙ってやってるんだろうけど。特定の誰というわけでもなく。

この人が書くものはいくつか読んだし、ラジオに出てるのを聞いたりしたけど、結構好きなほう。 

 

教団X

中村文則の「教団X」を読んだ。図書館で借りて読んだ。

教団X

教団X

 

 

  アマゾンのレビューは星一つが多くてひどいもんだけど、僕はこれは面白いんじゃないかと思った。

中村文則さんの本はいくつか読んできたけど、この本は一番エンタメよりだった。
長いし、気持ち悪い話だけど、僕は結構ちょいちょいはさまれる松尾さんの宗教や宇宙の話が好きだった。それが何かの寄せ集めだといわれたらそうなのかもしれないけど、そういうものを集めることで何か(たとえば人間とは何かとか)に近づけるんじゃないかと思う。

マチネの終わりに

平野啓一郎の「マチネの終わりに」を読んだ(図書館で借りた)。

 舞台が半分海外だったり、天才音楽家だったり、設定が嫌味な感じになりそうだけど、そこまでやなかんじはしなかった。
久々恋愛小説みたいなのを読んだんだけど、ここまですれ違うかーと思う展開だった。
マチネの終わりに

マチネの終わりに

 

エリアリノベーション

馬場正尊+OpenAの「エリアリノベーション」を読んだ。

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

 

 「エリアリノベーション」と「まちづくり」がどう違うのか正直分からなかったけど、「まちづくり」という手垢のついてしまった言葉とは何か違ってちょっとかっこいい感じ、新しい感じを出したかったのかもしれない。

この本の中で紹介されている6つのまちの事例はどれもすごいし、僕が住んでいるところも地方で空き家がたくさんあるから参考にできることはたくさんありそうだけど、どれも属人的というか、スーパーマンみたいな人が中心にいたり、多くをボランティアの力に頼っていたりして、とてもまねできそうにないなとも思う。大変すぎてだれもやらないようなことをやっているからこそ、都市間競争にかてるのかもしれないけど。

一方で僕もまちづくりのワークショップに参加したりしたことがあるんだけど、謎のセミプロワークショッパーのような人たち(いろんなまちのまちづくりワークショップに参加している個人あるいはNPOの人たち)がたくさん参加していて、この人たちは一体何なんだろうか、どうなりたいんだろうか(まちづくりの中心的プレイヤーになりたいのかコンサルタントになりたいのか事業をやりたいのか)、謎だなと思った。まちづくりワークショップの闇をみたような気がして、やっぱり僕は僕の持ち場でがんばろうと思った。基本的には建築の設計だけやって、事業企画とか不動産とかはやらない。建築の設計をやってまちづくりの一部をお手伝いするといったことはあると思うけど。

空き家をリノベーションしたりすることって建築の技術的には割と簡単だったりすると思うけど(他の面で大変かもしれないけど)、やっぱりでかい建物を一からつくることのほうが難しいしおもしろいし専門性が求められるはずなので、建築のプレイヤーが減りつつある今、建築の人は仕事がある限り後者に力を注いだ方がいいのではと最近よく思う。まちづくりの中心的プレイヤーは建築の人じゃなくてもできるし、不動産の人のほうが向いているような気もするし。

空き家の再利用事業計画をワークショップの最後に、空き家の家主に提案するみたいややつが流行ってるみたいで、その事業計画をもとに実際に起業したり、家主もそれを受け入れたりしていると聞いた。2~3日で作った事業計画で起業したり、それに家を貸す家主って勇気があるというか、ちょっと狂ってるとしか思えない。ワークショップの当日は盛り上がってて、同調圧力というか、えーここまでやっててやらないのーみたいな雰囲気に流されてしまってないのだろうか。

生物から見た世界

ユクスキュルの「生物から見た世界」を呼んだ。

生物から見た世界 (岩波文庫)

生物から見た世界 (岩波文庫)

 

國分功一郎さんの「暇と退屈の倫理学」を読んだときにユクスキュルのダニの話が書かれていて、おもしろそうだなと思って、 かなり前に買って積読になってたやつにようやく手を付けた。

それぞれの生物は同じ世界を生きているようで、見えている(知覚している)世界はそれぞれ違うといった話で、具体的にダニとか魚、ハチには世界がどういう風にみえているかが想像できるように書かれていておもしろかった。

 

京都迎賓館

京都迎賓館を見学してきた。

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今までは年に数回しか公開されていなかったんだけど、去年から通年公開になっていたので、京都に行ったついでにみてきた。

時期によって自由参観方式とガイドツアー方式があって、僕が行ったときはガイドツアー方式だった。スケジュールは内閣府のHPや京都迎賓館twitterで確認できる。特に京都迎賓館twitterでは当日整理券の残り枚数を確認できるから便利。事前予約もできるみたいだけど、間に合わなかったので、当日並んだ。事前予約をするなら約1カ月まえ前に予約できるみたい。

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当日券の配布は朝10時ごろから先着順。

僕が行ったのは9月の日曜日で、9時から並んで前に6人くらいいた。ひとり6枚まで買えるから、全員が6枚買ったら入れるの11時くらいになってしまうかなーと思ってたら、10時30分の回に入れた。1グループ25人くらいでまわるツアー。

スロープから地下(もともと駐車場のようなところ)に通されて空港みたいなセキュリティチェックをしてから15分ほど待ってからツアー開始。グッズコーナーが地下にはあって、飲み物も売ってあった。ツアーが始まったら飲み物は禁止、トイレも使えないので待ち時間の間にすませておく。鉛筆とかペンも落としたりしたらいけないから禁止。カメラは地下以外はOKだった。これもセキュリティ上のあれなんだと思う。

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車寄せの軒裏にめっちゃ小さいダウンライト。

 

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入口のドアは高級な板を使ってあると聞いたんだけど、何かは忘れた。

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中の廊下などは養生されたところ以外は歩くの禁止。

廊下の天井とか床板も高そうなやつだと聞いたけど、何だったか忘れた(ペン使えないからメモできないし忘れた)。

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幅木にコンセント。

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織物でできたでかい絵。

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なんかすごい照明。

とにかくいろいと高級そうな材料がたくさんつかってあってすごかったといった感想。設計した日建設計のひといわく、坪単価算出不可能とのこと。

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この船にブータンの人が乗ったことだけは覚えて帰った。