ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

構造設計を仕事にする

「構造設計を仕事にする」を読んだ。

 自分も独立してから10年くらいになるけど、他の人たちがどんな感じか知ることができるので、学芸出版社のこのシリーズはおもしろい(レベルは自分と全然違うけど)。

僕は学部の時も大学院の時も、意匠系の研究室だったけど、設計課題をやったりコンペに取り組んだりするときもなんだか絵空事のような気がしてしまって(そういうもんだからしょうがないんだけど)形に根拠を与えるエンジニアリングが足りないなと思っていた(もちろん学校側もそこまで要求しないんだけど)。そのころちょうど佐々木睦郎さんとか池田昌弘さんとか構造設計の人の名前が前面に出るプロジェクトが目立ってきていて構造設計も面白そうだなと思っていた。

時代とは逆行するのかもしれないけど、僕が扱っているような小規模な案件は分業してやるよりも自分で構造も設備もやってしまえたらいいなと思うし、構造体をそのままみせることや、大スパンの木造もいままでいくつかやってきたので(構造設計は外部にお願いして)、そのうち自分で構造設計がある程度できるようになりたいなと思う。とりあえず構造力学Ⅰでも読み直そうかな…

MX Anywhere 2S

ロジクールの「MX Anywhere 2S」を買った。

 左手用のマウスとして。なかなか左右対称のマウスって最近はないんだけど、これならいけるかなと思って買った。厳密にいうとボタンが左側についているから微妙に左右対称じゃないけど、あくまで左手マウスはサポートなのでこれでよし。デザインも他のMXシリーズと同じ色とか質感なので机の上でも違和感ない。キーボード(CRAFT)の左にこいつ、右にMX Master3が常に置いてある。

他のMXシリーズと同じように裏のボタンで使うパソコンを切り替えれるので便利。

少し薄くて小さいので携帯性もよくてノートパソコンで作業するときとかはこいつをメインで使っている。

手の不調は仕事(作図)の込み具合にもよるけどだいぶ良くなってきた。ストレッチとかヨガみたいなこともやって全体(手以外)の柔軟性を上げるようにしている。コロナで通っていた整体もしばらく閉めるみたいだし、バスケもしばらくやってなくて運動不足になりがちだから人が少ないところをたまに走るようにしている。

JWcadは便利なんだけど、作図の時に右クリック(スナップ時)が多いのが疲れる原因なんじゃないかと最近感じているのでちょっと別のcadソフトを練習中。

建築を愛する人の十二章

香山壽夫の「建築を愛する人の一二章」を読んだ。

建築を愛する人の十二章 (放送大学叢書)

建築を愛する人の十二章 (放送大学叢書)

  • 作者:香山 壽夫
  • 発売日: 2010/03/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 放送大学の講義をまとめなおした本。この人の本はいつも同じようなことが書いてあるような気がするんだけど、それでもやっぱり読むとちゃんと建築をやらないといけないなと思う。

そもそもこの人の本を最初に読んだのは大学生のころで「建築意匠講義」で、

建築意匠講義

建築意匠講義

  • 作者:香山 寿夫
  • 発売日: 1996/11/01
  • メディア: 単行本
 

 これを読んでそのころよく言われていた「誰でも出入りできるようなオープンな空間」とか、現代美術の本にとりあげられるような謎の形をしたものとかそういったものはもしかしたらあまりよくないのではと考えるようになった。ただ、ほんとうにいい建築がなんなのかはそのころの自分には分からなくって(今考えると当たり前なんだけど、そもそも今もよく分かっていない)全然設計課題が進まなくなったりそもそも最終的に課題が提出できなかったりしてやばかったけど、それっぽいものを体裁よく出すより、自分なりに確かなものがなんなのか考えることができてよかったんじゃないかと思う。少なくとも役に立ちつつ美しくする必要がある。ただその美の原理は結局誰でも本を読めばわかるといったものではない。ただ、この本の中でヒントは歴史の中にあると書いてあってその中からそれぞれが長い時間をかけて見出さないといけない(らしい)。

告白

町田康の「告白」を読んだ。

告白 (中公文庫)

告白 (中公文庫)

  • 作者:町田 康
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: 文庫
 

 又吉がおもしろいって何かで書いてたので図書館で借りて読んだ。

実際におきた大量殺人事件をもとに書かれているんだけど、よくここまで膨らませることができたなってくらいちょっと長いなと思って頑張って(おもしろいんだけど)読み進めていって最後まで読んだらやっぱりこれくらい長くないとなんでこいつが人殺しをしてしまったのかっていうのは伝わらないのかもなと思った。

なんか頑張っても滑稽になったりとか、中村文則の「銃」もそんな感じだったけど、これがばれたらやばい、でも誰にも言えないということを抱えて生活することとか、みんな多かれ少なかれあるんじゃないかと思う。それが殺人につながるかどうかは別として。

冷笑主義っていうか頑張っている人を馬鹿にするのは簡単だから気を付けないといけないんだけど、頑張って大失敗ってのもなかなかできることではないし、かといってやたら失敗すればいいってもんじゃないしみんなに迷惑もかけるから、スマートに生きるってのは本当に難しい。

 

星宙の飛行士

油井亀美也の星宙の飛行士を読んだ。

ラジオに出演されてて気になってツイッターとかでみてまた気になってこの本近所の図書館に入らんかなと思ってずっとチェックしてたんだけどいつまでたっても入らんくてしょうがないから買って読んだ。とにかく宇宙から撮った写真がきれい。いろんな宇宙での現象がどういった理屈で発生しているかわかりやすく書かれている(書かれているといってもこれは油井さんから林さんという人が取材して文章にした本だった)。

宇宙飛行士に応募したときに上司に同僚が事前に伝えてくれてた話とか、自衛隊の時にロシアはほぼ敵だと思っていたけど、宇宙飛行士になってからであった人たちはみんないい人だったとかいい話がたくさんあった(どちらもラジオで聞いた話だったけど)。

ことしからキャンプをはじめようと思っていろいろ道具をそろえているんだけど、キャンプに頻繁にいくようになったら小さい望遠鏡が欲しいなと思う。とりあえず星座確認用のアプリをいくつか入れた。

MX Master3

 ロジクールのMX Master 3を買った。

高いマウスだから気になってたけどなかなか手が出なかったけど、買ってみた。3ヵ月使ってみたけど今はこれがメイン。横スクロールもエクセルを使うときとかは便利。でかすぎて持ちにくいというレビューをよく見るけど、手のひらをべったりつけると疲れにくいと思う。指でつまむように持つとでかくて重く感じるかも。手のひらをべったりつけると指は浮かせてても疲れない。親指もくぼみにべったりつけると楽。結局親指と小指とかで持つから疲れるわけで、手のひらとか指の第2関節以降をうまくつかうことが大事なのかも。クリックする人差し指とかはべったりつけるとクリックするときに変な力が入るのである程度自由にさせておいたほうが楽。 

あと、MX Masterのキーボードとそろえると机がきれい(にみえる)。裏のボタン一つでパソコンを切り替えられるのも便利。

 

安藤忠雄建築を生きる

三宅理一の「安藤忠雄建築を生きる」を読んだ。

安藤忠雄 建築を生きる

安藤忠雄 建築を生きる

 

 いい本だった。おそらく現段階で一番網羅的にまとめられている本。文体も難しくなく、読みやすかった。生まれてから現在までの安藤忠雄の話、それぞれの作品についても主要なものはほとんど触れられている。多くの作品について触れないといけないから、個々の建築についてはそれほどページを割いてあるわけじゃないけど、短くまとめられていてわかりやすかった。

安藤忠雄については独学で建築を学んで元プロボクサーみたいな話がだいたいついてまわってて、それがみんなの興味を引いたり、逆にイロモノ扱いされたりすることもあったんだろうけど、この本では生い立ちからその辺のことがよく書かれていておもしろかった。結局のところもの圧倒的にすごい人だし、すごい建築をつくっている。

大学生のころ学生生活を半分終わったころにようやく建築をやる気になって、初めてちゃんと建築の本を自分で買って読んだのが、「安藤忠雄建築を語る」だった。

建築を語る

建築を語る

 

これを読んでわりと感動してやる気になったのを思い出した。長い休みの時に関西にある安藤忠雄の建築、光の教会、Times、ローズガーデンなんかをみてまわった。 

大学の先生たちはなぜか安藤忠雄を認めないみたいな雰囲気が当時あったりして(それはたぶんアカデミズムと当時は遠そうな安藤忠雄が東大教授になったりしたからかもしれない)、べた過ぎてなんとなく安藤忠雄が好きとか言いにくい感じもあって、みんな一度は安藤離れを経験すると思うんだけど、なんだかんだで安藤建築は好きだし、光の教会なんかは圧倒的名作。

この本を読んで海外の安藤建築もいつか見に行きたいなと思った。