前回のつづき。
僕は大学に入るまでそもそも建築家という職能についてあまり考えたことがありませんでした。正確には大学3年生くらいまで。大学の1、2年はたいして勉強もせずに(必要な単位はもちろんとっていましたが)、毎日だらだら本を読んだり、映画をみたりしてたのですが、3年になってさすがにリカバリーしないとやばいと思って建築の本(主に近代史)を読みあさりました。そのときはじめて建築のムーブメントがたくさんあることを知って、さらに建築をとおして個人の表現のようなことをしている人たち(建築家)がいることを知りました(それまではコルビュジェがどんな人なのかよく知らなかった)。それまでなんとなくみていたそつの辺に建っている建物が、誰かの表現の対象になってるって思ったらなんだかすごいなと思いました。いろんな意味で。
ウィキで「芸術家」を調べると、画家や彫刻家などに並んで、建築家もやっぱり入っている。確かにミケランジェロみたいな人は建築もやるし、絵もやるからやっぱりアーティストなのだと思う。ミケランジェロ=芸術家∋建築家、画家、彫刻家といった具合に。でも現代ではどうなのだろうか。
ローマの建築家、ウィトルウィウスは 建築について、「用(utilitas)・強(firmitas)・美(venustas)を兼ね備えることが求められる」と書いてるらしい。美を意識した個人の表現のことばかり考えるのではなくて、現代では、用とか強とかいろいろ与条件もあって大変なんだけど、合理的に整理したら美になった、くらいがちょうどいいのではと思うのだが。
ミケランジェロみたいな巨匠でもないかぎり。
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