読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

マーケット感覚を身につけよう

ちきりんのマーケット感覚を身につけようを読んだ(Kindleで)。

マーケット感覚を身につけよう

マーケット感覚を身につけよう

 

自分に能力を身につけようと思っても、何が市場で価値があるかが分かっていないとだめなので、価値を認識する能力(マーケット感覚)が必要だという本。 

これを読んでみて僕がいる分野(建築設計業界)はどうなのかなと簡単に考えてみた。

まず、算入障壁についてだけど、免許が必要だから新規参入はある程度抑えられている。しかも士法が改正されてから、管理建築士の要件がすこし厳しくなった(免許を取ってから3年)。ただ、おもしろい仕事だと思うから、やりたい人は結構多いはずだけど、責任の割にたいして儲からないと思われがち(実際そうかもしれない)だし、実際僕も事務所をはじめてみるまではちゃんと続くかどうか謎だった。

去年、2回目の一級建築士定期講習に行ってきたけど、かなり高齢化していたから、市場が縮小しているとはいえ、供給は減っているはずだから、若い人にはチャンスがあると思うけどな。

余談だが、最近は2級を先にとっておいて3年事務所で働いて管理建築士をとって事務所を辞めて1級をとって事務所をはじめるといったルートが多いと先日飲み会で都会の人たちに聞いた。

次に競合についてだけど、これは場所でかなり違うと思う。インターネットがどれだけ普及しても、建築は場所とともにあるので、遠いところのものをコントロールするには限界がある。東京や政令指定都市ではじめる人がほとんどだと思うけど、市場は大きいが、その分敵は多い。住宅だと、メーカーがいるし、他のビルディングタイプになると、大手組織事務所や、ゼネコン設計部がいる。マンションの設計でつないでいくところが多いんだと思うけど、そればかりだとつまらなくなるだろうし。

コンペやプロポーザルも参加要件が厳しいから、若手が仕事をとるのも難しくなってきた。これを解決するためには、最初はよその組織事務所など実績のたくさんあるとこと組んで出すとかってのが必要になってくる。

そこで出てくるのが、都会で経験を積んで田舎にUターンとかで帰ってはじめるひとたちで、僕も含め、同世代の知り合いで設計事務所をやっている人は、このパターンがほとんど。まだみんなやめていないから、だいたいみんなそれなりに稼いでいるはず。実際、田舎での設計事務所の供給はかなり減っている。

少し前に話題になった美術手帖や日経アーキテクチャなどの建てない建築家特集に登場する若手たちも、地方で活躍する人たちが多くて、都会よりも地方に可能性を感じているんじゃないだろうか。

美術手帖 2015年 01月号

美術手帖 2015年 01月号

 

 住宅に関していえば、都会だとメーカーが対応できない顧客をターゲットにしないといけないけど(どうやってそういったお金持ちと知り合うのかが問題になる)、田舎だとそこまでメーカーも参入していないから、普通の人たちをターゲットにしやすい。土地が安いから戸建て住宅を建てやすい。公共工事についても、それなりの経験があれば、小さなものから受注することができるので実績をつくりやすい。

この本の中でも、「学生時代に都市部でマーケット感覚を鍛えた人が、UターンやIターンで戻った地方で何かを始めるというパターンは、構造的に成功しやすいアプローチ」と書いてある。「市場性が高い都会はマーケット感覚を鍛える場所、価値の素が多い地方は、それを活用して価値を生み出す場所」とも書いてあったので、ずっと田舎にいるのもまずい(鈍る)のかもなとも思った。

ちょっと長くなったけど、先日どうやって仕事を軌道に乗せたのかを外人の友達に聞かれたので整理するのにちょうどいいかと思って(結局たいした戦略などない)。

話はかわってSNSについて。SNSの市場性についてこの本でも少し触れられている。

「ブログとツイッターは、不特定多数の発信者と受信者を結び付ける、極めて市場性の高いSNSですが、フェイスブックやLINEは、知り合いの間でのコミュニケーションツールとして使い始められる、相対取引的なSNSです。」

と書いてある。

ちなみに僕のブログは、本と建築とトイレのことを中心に書いているつもりなんだけど、実際にここにたどりついたひとは、「パタゴニアR2」や「バブアー/オイル」、「ガラケー/ポケットwifi」などの買い物関係のキーワードが多くて、市場の大小がよくわかる(笑)。ただ、「吉岡賞」とか、「ブルータリズム」、「建築/現調/距離計」などの謎のキーワードでたどり着く人たちも安定して存在していて、そういった需要があることも把握できている。