豊川斎嚇の「丹下健三 戦後日本の構想者」を読んだ。
前半は丹下健三のことを時系列に、後半は丹下の弟子たちのことが書いてあってどちらも読みごたえあっておもしろかった。
巨匠の時代は終わったと言われてずいぶんたつけど、今では考えられないくらいの大きなプロジェクトを若いころから任されていたんだなあと思う。リノベーションとかまちづくりとかが紹介されることが多い昨今だけど、やっぱりでかいのつくる人たちのほうがすごいなと思ってしまう。
丹下健三といえばやっぱり代々木あたりがピークで都庁とかはいまいちという話をよく聞くけど、その背景には海外(中東など)での経験があったんだなとこの本を読んではじめてわかった。
後半の丹下の弟子たちの話を読んだ後、この人たちの時代(磯崎、槇、黒川など)も終わりつつあって、そのさらに弟子たちの時代が今なのかなあと考えてみたんだけど、青木淳くらいしか思いつかなくって、これっていったいどういうことなんだろうと複雑な気分になった。
そのへんのことがどうでもよくなるくらいに、帯に「世界のTANGE」と書いてあったのをワイフが「世界のTENGA」と空目したのが一番印象に残った。