ぺいちくのブログ

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営繕論

内田祥士の「営繕論」を読んだ。

営繕論:希望の建設・地獄の営繕 (建築・都市レビュー叢書)

営繕論:希望の建設・地獄の営繕 (建築・都市レビュー叢書)

 

 営繕という面倒というか一見地味なテーマにじっくりとりくまれた本。

僕も公共工事の修繕の設計や、民間の改修、用途変更等をやっていて、正直面倒だし、いっそのこと立て直したらと思ってしまうこともあったけど、この本を読んでなんだか営繕に希望というか、建築士としての使命感みたいなものもあるなと思った。

耐震改修やその他の修繕も数をこなされていて(それなりに歴史があって)、手法も確立されている。数をこなすなかで(量を担った技術)、不具合も出ていて、その不具合があるからその手法がダメというわけではなくて、新しいものに比べて不具合が計算できるということは信頼できるという考え方はなるほどなと思った。

 しかし槙さんにしてもこの人にしても「モダニズム」が大きく意識する対象になっているみたいなんだけど、やっぱ世代なんかな。僕らの世代以下の人たちはそこまで意識してないんじゃないかなと思う。