ぺいちくのブログ

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新建築 住宅特集 2014/10 (吉岡賞講評など)

今年の吉岡賞が発表されたと聞いたので、講評を立ち読みしてきた(買ってなくてすみません)。

新建築 住宅特集 2014年 10月号 [雑誌]

新建築 住宅特集 2014年 10月号 [雑誌]

 

新築ではなく改修だったこととかもあって、いろいろ反響があったみたいです。僕は異論も何もないのですが、2点ほど気になりました。

1つは講評を読んでて気になった点で、「住宅単体」の優劣というよりも「今後に期待」とか「これまでの活動」とかを評価して賞を与えているんだなという感じに読めたことです。まあ、

"建築雑誌『新建築住宅特集』の新人賞として、住宅作品を通して建築設計の新たな展開に大きな可能性を感じさせる新人の奨励のために、その作品の設計者を表彰する賞"(ウィキペディアより)

てことみたいなので、趣旨に反してないような気もするけど、でもやっぱあくまで「住宅作品を通して」なので、やっぱ単体そのものの優劣(単体そのものが示す可能性)で選ぶべきなんじゃないかなと。これまでの活動と今後に期待して賞を与えるなら、プリツカー賞みたいに住宅作品のタイトルとか関係なく、設計者のみを表彰したらいいのになと思った。

もうひとつは、この人たちのプロフィールを読んだあとに某友人と話していて湧いてきた、事務所登録はどうしているのかなという疑問。大学院を修了して0~1年後に事務所設立と書いてあるんだが、普通は管理建築士が事務所に一人はいないといけないはずなんだが、管理建築士は免許(一級でも二級でもいい)をとって3年実務経験がないとなれないはずなんだが、実は管理建築士を雇っているのかな、それとも大学院修了の前に免許とって事務所で3年働いて、そのあとに論文書いたのかなとかいろいろ考えてしまったのだが、ぎりぎりアウトな気がしてきたのでこの辺でやめておく。

しかし今の法律では設計者としてサインした人とか、管理建築士に責任がいく仕組みになっているのでどうなのかなと思ってしまったり、でもよく考えたら内装しかやらないから事務所登録必要ないと思ってるのかなと考えたり、それだったらインテリアデザイン事務所なんじゃないかな、「建築設計事務所」とか書かなければいいのになと思ったり、いやしかし、建築の領域を広げるのだ、内装だけでも建築だ、と考えてるのかもなと思ったりしたが、やっぱりぎりぎりアウトだと思うのでこの辺でやめておこう。