ぺいちくのブログ

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エリアリノベーション

馬場正尊+OpenAの「エリアリノベーション」を読んだ。

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

 

 「エリアリノベーション」と「まちづくり」がどう違うのか正直分からなかったけど、「まちづくり」という手垢のついてしまった言葉とは何か違ってちょっとかっこいい感じ、新しい感じを出したかったのかもしれない。

この本の中で紹介されている6つのまちの事例はどれもすごいし、僕が住んでいるところも地方で空き家がたくさんあるから参考にできることはたくさんありそうだけど、どれも属人的というか、スーパーマンみたいな人が中心にいたり、多くをボランティアの力に頼っていたりして、とてもまねできそうにないなとも思う。大変すぎてだれもやらないようなことをやっているからこそ、都市間競争にかてるのかもしれないけど。

一方で僕もまちづくりのワークショップに参加したりしたことがあるんだけど、謎のセミプロワークショッパーのような人たち(いろんなまちのまちづくりワークショップに参加している個人あるいはNPOの人たち)がたくさん参加していて、この人たちは一体何なんだろうか、どうなりたいんだろうか(まちづくりの中心的プレイヤーになりたいのかコンサルタントになりたいのか事業をやりたいのか)、謎だなと思った。まちづくりワークショップの闇をみたような気がして、やっぱり僕は僕の持ち場でがんばろうと思った。基本的には建築の設計だけやって、事業企画とか不動産とかはやらない。建築の設計をやってまちづくりの一部をお手伝いするといったことはあると思うけど。

空き家をリノベーションしたりすることって建築の技術的には割と簡単だったりすると思うけど(他の面で大変かもしれないけど)、やっぱりでかい建物を一からつくることのほうが難しいしおもしろいし専門性が求められるはずなので、建築のプレイヤーが減りつつある今、建築の人は仕事がある限り後者に力を注いだ方がいいのではと最近よく思う。まちづくりの中心的プレイヤーは建築の人じゃなくてもできるし、不動産の人のほうが向いているような気もするし。

空き家の再利用事業計画をワークショップの最後に、空き家の家主に提案するみたいややつが流行ってるみたいで、その事業計画をもとに実際に起業したり、家主もそれを受け入れたりしていると聞いた。2~3日で作った事業計画で起業したり、それに家を貸す家主って勇気があるというか、ちょっと狂ってるとしか思えない。ワークショップの当日は盛り上がってて、同調圧力というか、えーここまでやっててやらないのーみたいな雰囲気に流されてしまってないのだろうか。