謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア (集英社文庫)
- 作者: 高野秀行
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/06/22
- メディア: 文庫
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ずっと積読になってたんだけど、ようやく読み終えた。
ソマリアの氏族を平氏、源氏、藤原氏、北条氏など日本史とくっつけてわかりやすくしてあるところなど、面白かったし、これがなかったら全然理解できなかったと思う(これがあっても多少しんどかった)。
ソマリランドでの民主主義のシステム、問題が起こった時の解決の仕方など(男が一人殺されたらラクダ100頭で清算)、なんかシンプルいいなと思った。
日本の二院制をワイヤップに「それは意味がないな」と言われるのもよくわかる。
「与党が両方の議会で多数派なら、自動的に法案は可決されてしまう。もし上の議会(参院で与党が少数派なら法案は通らない。もし下の議会(衆院)で多数派が三分の二以上なら上の議会はいらない。どっちにしても意味がない)」仰せの通りで、返す言葉がない。
ソマリランドは国際社会に認められたくてここまで進化してきたと書かれていた。
そしてソマリランドを認める、もしくは安全な場所として認めることで「平和になり、治安もよくなれば、カネが落ちる」。戦争を起こしたり、治安が乱れている場所にせっせとカネを落とす行為は、暴力と無秩序を促進する方向にしか進まないとも。