ピーターライスの自伝を読んだ。
- 作者: ピーターライス,Peter Rice,岡部憲明,瀧口範子,太田佳代子
- 出版社/メーカー: 鹿島出版会
- 発売日: 1997/01/01
- メディア: 単行本
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いろんな技術が専門化、細分化されていってそれはそれで高度になったり洗練されたりして来てるんだろうけど、ピーター・ライスっていうひとはここではエンジニアと書かれているけど、いわゆる今の構造設計者というよりも、もっといろんなことに精通している人のように思えた。建築家として名前が出てくるのはミケランジェロが最初だと学校で習ったのだが、ミケランジェロも多分すべてのことに詳しかったんじゃないかと思う。僕が扱っているような小さな建物でも構造や設備は自分でやらずに専門の人に設計をお願いしているんだけど(多分それが普通だと思うけど)、だいぶ上の世代の先輩たちは一人で全部やってしまう人も多くて(もちろんピーター・ライスみたいな高度なものじゃないけど)、僕は結構そういうのに昔から(学生のころから)なりたいなと思っていた。いわゆる意匠的なことだけじゃなくて、構造や設備、製造や流通等、物の仕組みがすべてわかったうえで設計することで過不足ないものができるんじゃないかといまだに思っている。
この本はピーター・ライスがもしかしたら死ぬかもしれないといった状況で、最後は本を書くことを選んだ(もう2つは闘病することと、抱えてるプロジェクトを継続すること)とあとがきに書かれていたけど、人は死ぬことを強く意識したら何か残したくなるんだろうか。