ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

病と障害と、傍らにあった本。

「病と障害と、傍らにあった本。」を読んだ。

いい本だった。当事者や、介護者のエッセイ。 最近は福祉、障害、精神の問題を扱った本をよく読んでいる。興味をもったのは、自分が障害者の支援施設の設計に関わったり、老人ホームの設計をしたりしているからというのもあるかもしれないけど、障害者の当事者研究等が、人を社会に合わせるのではなく、社会のほうが変わっていくという感じに可能性を感じてきた。僕は公衆トイレをよく設計するんだけど、設計の度に障害があるひとのことを想像する。障害といってもひとくくりにできず、それぞれ固有の症状があって、できるだけだれでも使えるようなインターフェイスにしないといけない。ぼくは何か特別なことを設計しているわけでもなくて、一般的な設備や寸法でやっているわけだけど、たまに福祉のまちづくり条例とか、TOTOのバリアフリーブックにないような部分がどうしても出てきて、そこの寸法や形状についてどうするか迷うときがある。そういうときは他の事例を研究したり、どこにもないときは最終的には想像するしかないときもある(できるだけそういうことがないようにしたい)。

この本を読んで、原田氏病、腎不全、ダウン症聴覚障害、筋肉障害等、友人や親族だけでもいろんな障害のある人が自分の周りにもいると思った。みんなが気を使わなくても生きていけるのってどうやったらいいんだろうと最近よく考える。

とりあえずカフカの本が読みたくなったので一冊岩波文庫を買った。