ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

村上春樹の「約束された場所で」を読んだ。

前に読んだアンダーグラウンド地下鉄サリン事件の被害者で、こちらはオウムの信者(元信者も含む)のインタビュー。

体調が悪かったのが、食生活を変えたり、運動(ヨガ)をしたり、仕事をやめたりしたらよくなるってのはありそうだなと思うんだけど、それでみんな割と簡単に出家してしまう。謎の終末観、ノストラダムスの大予言を信じたりして出家をしてしまう。

今の世の中の仕組み、現世と合わないひとはどうしてもいると思う。できるだけそういう人がいないような仕組みをつくったり、いたとしても置き去りにしないようにしないといけないんだけど、なかなか難しい。実際のところ、現世が間違ってることはたくさんあるだろうし、矛盾や欠陥だらけで理想が高ければ高いほど、正しく美しい理想郷に行ってしまいたくなる人もいると思う。でも現実には傷つき苦しみながら粘り強く変えていくしかない。

最後のほうにある河合氏との対談を読んで、キリスト教の原罪って結局何だったんだろうと気になって調べたけど、全然理解できんかった…。生まれた時点で原罪持ちで洗礼を受ければ原罪なくなるってのは、ほぼ脅しのような…。