今年はなぜかトイレの設計の仕事(公衆トイレや学校のトイレなど)がたくさんあったので、いろいろ事例をみてきました。
トイレの事例をまとめた本はありそうで実はあまりないので、ブログに物件別にまとめておくことにしました。
今回は六本木にある国立新美術館。
設計:黒川紀章建築都市設計事務所
竣工:2006年
僕はこの外観をみたらいつもなんで入り口が円錐になってしまったのかと思ってしまいます。時間がたてばこの良さがわかるようになるのかどうか。
美術館のトイレは駅や劇場のトイレと比べて利用時間が集中しないから一つのトイレの器具数は少ないくていいはずだけど、展示室に入ってからも、間の休憩するとこにいるのでトイレの箇所数が多くなるのだと思いました(あとでマップで確認したら10か所くらいある)。
地下1Fに授乳室がありました。
以下トイレの仕上げです(ぱっと見なので、正確ではありません)。
床:タイル(グレー石目)
壁:タイル(グレー石目)
天井:石綿吸音板
ライニング腰:化粧珪酸カルシウム板(白)
ライニング天板:人造大理石
手摺は樹脂被覆タイプ。照明はダウンライト。
手摺を樹脂被覆でいくか、ステンレスをそのままみせるかってのは意見の分かれるとこだなと個人的に思っています。使用感や耐久性の問題で。
手洗いはカウンタータイプ、腰パネルつき。鏡の上下に間接照明。カウンタータイプにするかどうかも最近は意見が分かれるのではと思っています。物を置いたりするのには便利そうだけど、濡れていて物を置けなかったりすることもあるので。
個人的にはこの石目のタイルが建物全体のイメージと合っているのかどうかよくわかりませんでした。高級な感じはするのかもしれないけど。
ちなみにトイレブースは石目の色に近いグレーでしたが、なぜか扉の色だけ濃いグレーでした(どこに扉があるかわかりやすくていいのかも)。
トイレブースの高さは扉の高さと同じ(2000mm程度)か、天井までぴったりあるやつになるんだけど、ここのは扉の高さと同じやつでした。
個人的には天井まであったほうが、ちゃんとした部屋みたいになって落ち着きそうだし(女子はのぞきの問題とかあるのでは)、扉の高さと同じタイプのやつは上部にアルミの縁がまわるのですっきししないのではと思います。
天井までトイレブースが立ち上がると換気の効率がかわったり、照明の灯数が増えたり(各ブースに必要になる)とデメリットもあるのかも。