三宅理一の「安藤忠雄建築を生きる」を読んだ。
いい本だった。おそらく現段階で一番網羅的にまとめられている本。文体も難しくなく、読みやすかった。生まれてから現在までの安藤忠雄の話、それぞれの作品についても主要なものはほとんど触れられている。多くの作品について触れないといけないから、個々の建築についてはそれほどページを割いてあるわけじゃないけど、短くまとめられていてわかりやすかった。
安藤忠雄については独学で建築を学んで元プロボクサーみたいな話がだいたいついてまわってて、それがみんなの興味を引いたり、逆にイロモノ扱いされたりすることもあったんだろうけど、この本では生い立ちからその辺のことがよく書かれていておもしろかった。結局のところもの圧倒的にすごい人だし、すごい建築をつくっている。
大学生のころ学生生活を半分終わったころにようやく建築をやる気になって、初めてちゃんと建築の本を自分で買って読んだのが、「安藤忠雄建築を語る」だった。
これを読んでわりと感動してやる気になったのを思い出した。長い休みの時に関西にある安藤忠雄の建築、光の教会、Times、ローズガーデンなんかをみてまわった。
大学の先生たちはなぜか安藤忠雄を認めないみたいな雰囲気が当時あったりして(それはたぶんアカデミズムと当時は遠そうな安藤忠雄が東大教授になったりしたからかもしれない)、べた過ぎてなんとなく安藤忠雄が好きとか言いにくい感じもあって、みんな一度は安藤離れを経験すると思うんだけど、なんだかんだで安藤建築は好きだし、光の教会なんかは圧倒的名作。
この本を読んで海外の安藤建築もいつか見に行きたいなと思った。