中動態の世界

國分功一郎の「中動態の世界」を読んだ。

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)

 

國分さんの本は「暇と退屈の倫理学」を数年前に読んでおもしろかったので、この本も買って読んでみた。最初はちょっと難しいなと感じたけど、読み進めると謎を解く感じが推理小説的でとても面白かった。

一回読んだだけでは結局中動態が何なのかは、分かったようで分からない気がするんだけど、能動ー受動の対立にかかわらず、既成の枠組みでは正確に現実をとらえることができていないかもしれないこと、今ある枠組みを外して想像することは結構難しい(中動態を想像すること、能動ー受動の外を想像すること)。でもそうやって外の世界を知ることで少しずつ自由に近づいていくんだと思う。

日本人はなぜ無宗教なのか

 僕自身カトリックで、これから自分を含めて家族の宗教をどうしようかなと思ったのでこれを図書館で借りて読んだ。

日本人はなぜ無宗教なのか (ちくま新書)

日本人はなぜ無宗教なのか (ちくま新書)

 

 日本における神道仏教の関わりを中心に丁寧に書かれていてよく分かったんだけど、カトリックについてはあまり書かれていなかった。

結局のところ日本人はみな無宗教と言いたがったり、宗教に熱心だとなんか抵抗を感じるような雰囲気があるけど、無意識のうちに神道仏教の行事に参加していて、本当に無宗教なのかといった内容。

家族や友人がつらい状況にあるとき、でも自分は何もできないとき、やっぱり祈ることしかできないこともあるような気もする。

結局この本に僕が知りたいことは書いてなかったけど、後日読んだ又吉の本にこう書いてあった。又吉もカトリックの家だったらしいけど、大きくなってから自分で考えろと言われたらしい。又吉はまだ何も選ばず、又吉の姉はカトリックを選んだらしい。僕もそれでいいんじゃないかと思った。

私の消滅

中村文則の「私の消滅」を読んだ(図書館で借りた)。

私の消滅

私の消滅

 

 途中まで主人公だと思ってた人がだれがだれだか分からなくなるところが、それがそのまま私はもしかしたら別の人間かもしれないといったことと重なってなんかすごいなと思った。 

悪と仮面のルール

中村文則の「悪と仮面のルール」を読んだ。図書館で借りて読んだ。

悪と仮面のルール (講談社文庫)

悪と仮面のルール (講談社文庫)

 

 人生がすでに決まっている(仕組まれている)という設定が運命とか血筋に抗えるのかといったことに重なっているようだった。

土の中の子供

中村文則の「土の中の子供」を読んだ。図書館で借りた。

土の中の子供 (新潮文庫)

土の中の子供 (新潮文庫)

 

 読んだ後にこれが芥川賞だったことを知った(知ってたかもしれないけど、忘れてた)。

僕はこの人の本をいくつか読んだあとにこの本を読んだのだけど、主人公が虐待を受けていたり、捨てられたりしていて、暗くて設定が似ているような気もするけど、それでも少しだけ希望がみえてきたりする救いもあって、主人公のいうようにこういった小説があるのは、

「まあ、なんというか、救われる気がするんだよ。色々考えたり、世界とやっていくのを難しく思ってるのが、自分だけじゃないってわかるだけでも。」

ということなんだと思う。

 

 中村文則の「銃」を読んだ。

銃 (河出文庫)

銃 (河出文庫)

 

 「銃」は中村文則のデビュー作。

複雑な環境に育ちつつも、表面的にはうまくやってきた主人公が、拳銃を拾うことでそれまでの自分とはどんどん変わっていってしまう(特に内面が)という話。

なにか特別なものを得て、それまでの自分とは変わってしまう、あるいは変わってしまいたいと思うようなことは、複雑な環境に育った人だけでなく、普通の人でも若いころはあるような気がした。

 

建築を気持ちで考える

堀部安嗣の「建築を気持ちで考える」を読んだ。

堀部安嗣 建築を気持ちで考える

堀部安嗣 建築を気持ちで考える

 

前半は堀部さんが影響を受けた建築についての紹介。アスプルンド、カーン、ライト、アアルト、スカルパ、あとは日本のお寺など。 

 ライト以外のカーンやアアルト、スカルパの世代が近いのはやっぱりモダニズムと現代の間に何かいい時代があったとしか思えない。W・カーティスの本とかにはこの辺の人たちをクリティカルリージョナリズム(批判的地域主義)と呼んでいて、安藤忠雄とかもここに入ってくる。ライトについてはモダニズムに完全には乗っかっていない良さがあるのかもしれない。僕はこの辺の人たちの建築をひとつもみたことがなくて、本とかでみてかなりいいんだろうなということは分かるので、いつかいってみたい。

僕が独立した年にこの人の処女作「南の家」と「ある町医者の記念館」をみて、20代の時にこれをつくったことに驚いた。

僕もこの人のように建築と向き合いたいと思うし、こういった本を読むと自分も建築をやっていてよかったなと思う。

ギャラ間でやってた展覧会は行くかどうか迷って結局年度末の忙しさに負けて行けなかった。この本の最後に作品リストが掲載されてて見学できるものもあるみたいなので、また見に行きたいなと思う。