エリアリノベーション

馬場正尊+OpenAの「エリアリノベーション」を読んだ。

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

 

 「エリアリノベーション」と「まちづくり」がどう違うのか正直分からなかったけど、「まちづくり」という手垢のついてしまった言葉とは何か違ってちょっとかっこいい感じ、新しい感じを出したかったのかもしれない。

この本の中で紹介されている6つのまちの事例はどれもすごいし、僕が住んでいるところも地方で空き家がたくさんあるから参考にできることはたくさんありそうだけど、どれも属人的というか、スーパーマンみたいな人が中心にいたり、多くをボランティアの力に頼っていたりして、とてもまねできそうにないなとも思う。大変すぎてだれもやらないようなことをやっているからこそ、都市間競争にかてるのかもしれないけど。

一方で僕もまちづくりのワークショップに参加したりしたことがあるんだけど、謎のセミプロワークショッパーのような人たち(いろんなまちのまちづくりワークショップに参加している個人あるいはNPOの人たち)がたくさん参加していて、この人たちは一体何なんだろうか、どうなりたいんだろうか(まちづくりの中心的プレイヤーになりたいのかコンサルタントになりたいのか事業をやりたいのか)、謎だなと思った。まちづくりワークショップの闇をみたような気がして、やっぱり僕は僕の持ち場でがんばろうと思った。基本的には建築の設計だけやって、事業企画とか不動産とかはやらない。建築の設計をやってまちづくりの一部をお手伝いするといったことはあると思うけど。

空き家をリノベーションしたりすることって建築の技術的には割と簡単だったりすると思うけど(他の面で大変かもしれないけど)、やっぱりでかい建物を一からつくることのほうが難しいしおもしろいし専門性が求められるはずなので、建築のプレイヤーが減りつつある今、建築の人は仕事がある限り後者に力を注いだ方がいいのではと最近よく思う。まちづくりの中心的プレイヤーは建築の人じゃなくてもできるし、不動産の人のほうが向いているような気もするし。

生物から見た世界

ユクスキュルの「生物から見た世界」を呼んだ。

生物から見た世界 (岩波文庫)

生物から見た世界 (岩波文庫)

 

國分功一郎さんの「暇と退屈の倫理学」を読んだときにユクスキュルのダニの話が書かれていて、おもしろそうだなと思って、 かなり前に買って積読になってたやつにようやく手を付けた。

それぞれの生物は同じ世界を生きているようで、見えている(知覚している)世界はそれぞれ違うといった話で、具体的にダニとか魚、ハチには世界がどういう風にみえているかが想像できるように書かれていておもしろかった。

 

京都迎賓館

京都迎賓館を見学してきた。

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今までは年に数回しか公開されていなかったんだけど、去年から通年公開になっていたので、京都に行ったついでにみてきた。

時期によって自由参観方式とガイドツアー方式があって、僕が行ったときはガイドツアー方式だった。スケジュールは内閣府のHPや京都迎賓館twitterで確認できる。特に京都迎賓館twitterでは当日整理券の残り枚数を確認できるから便利。事前予約もできるみたいだけど、間に合わなかったので、当日並んだ。事前予約をするなら約1カ月まえ前に予約できるみたい。

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当日券の配布は朝10時ごろから先着順。

僕が行ったのは9月の日曜日で、9時から並んで前に6人くらいいた。ひとり6枚まで買えるから、全員が6枚買ったら入れるの11時くらいになってしまうかなーと思ってたら、10時30分の回に入れた。1グループ25人くらいでまわるツアー。

スロープから地下(もともと駐車場のようなところ)に通されて空港みたいなセキュリティチェックをしてから15分ほど待ってからツアー開始。グッズコーナーが地下にはあって、飲み物も売ってあった。ツアーが始まったら飲み物は禁止、トイレも使えないので待ち時間の間にすませておく。鉛筆とかペンも落としたりしたらいけないから禁止。カメラは地下以外はOKだった。これもセキュリティ上のあれなんだと思う。

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車寄せの軒裏にめっちゃ小さいダウンライト。

 

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入口のドアは高級な板を使ってあると聞いたんだけど、何かは忘れた。

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中の廊下などは養生されたところ以外は歩くの禁止。

廊下の天井とか床板も高そうなやつだと聞いたけど、何だったか忘れた(ペン使えないからメモできないし忘れた)。

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幅木にコンセント。

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織物でできたでかい絵。

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なんかすごい照明。

とにかくいろいと高級そうな材料がたくさんつかってあってすごかったといった感想。設計した日建設計のひといわく、坪単価算出不可能とのこと。

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この船にブータンの人が乗ったことだけは覚えて帰った。

もがく建築家、理論を考える

 東大編の「T_ADS TEXTS  02 もがく建築家、理論を考える」を読んだ。

T_ADS TEXTS 02 もがく建築家、理論を考える

T_ADS TEXTS 02 もがく建築家、理論を考える

 

 6人の建築家のインタビューで、実際につくった建築を訪れて説明をしてもらうという内容。東京大学の無料オンラインコースの映像が本になっている。

なんだかんだで磯崎新のとこが一番おもしろかったのでいつか群馬県立近代美術館にいってみたい。

妹島和世のところで

「いま、建築がどんどん高性能になって、つくり方もすごくむずかしくなっている。

建築に求められる精度と建築家が考えることが乖離して、建築がおもしろい力を持てなくなってきていると感じます」

「工場でつくられたプロダクトのようにきれいで、エネルギーも節約されていて、予定通りに進めば、誰も文句を言わない。それが良い建築。片や、そうでないものは出来そこないで受け取れない」

と書かれていて、鶴岡市で起こっていることはどうなんだろうなと思った。

建築の条件

坂牛卓の「建築の条件」を読んだ。

建築の条件 (「建築」なきあとの建築)

建築の条件 (「建築」なきあとの建築)

 

久々にこういった網羅的な建築論の本が読めて(しかも割と最近までの状況が含まれている)少し頭の整理ができたような、見通しが良くなったような気がする。

この本を読むまでの僕の認識では、今はポストモダンがまだ続いていて(大きな物語が終わって)、それぞれ好き勝手に興味の赴くままに考えて、ちょっとづつ違ったバリエーションが量産されている時代だと思っていたんだけど、この本を読んで、「エコロジー」と「震災後」みたいな価値観は共有されているのかもしれないなと思った(もちろんそういったこととは無関係に考えている人たちはたくさんいるだろうけど)。そういった意味では大きな物語の再開の時代なのかもしれない。

「窓のない部屋の風景は昨日と今日で変わりようがない。しかし窓のある部屋では、昨日と異なる何かに窓を通して偶然触れる可能性がある。(p244)」「窓にはつねにそういう偶有適瞬間の瑞々しさがある(同)」と書かれていたのを読んで、窓はやっぱり大事だなあと思ったのと同時に、窓のない家(天窓はある)を設計した知人はいまごろどうしてるかなあと思った。

 

 

勉強の哲学

千葉雅也の「勉強の哲学」を読んだ。

勉強の哲学 来たるべきバカのために

勉強の哲学 来たるべきバカのために

 

建築の設計をやっていると、決めないといけないことがほんとにたくさんあるんだけど、なんでそれに決めたのかといった根拠がほしくなってくる。法律とか材料の制約とかいろいろあるけど、絶対的な根拠(真理)は実はない。ないけどないからといって適当には決められないし、「もういいや」で決めると絶対よくはならない(経験上)。決めるためにはいろいろ案を比較したり、ここをこうやるならこっちはこうしたほうがよさそうといった、仮固定をしながら粘り強く作業を進める必要がある。 

仮固定のまま進めて違和感があるところを修正して、予算に合せるように変更して、仮固定のまま現場に入って問題や改善点があれば現場でも修正する。

結局根拠はないんだけど、そうやって根拠に近づいていくようにするしかないし、粘り強く修正を繰り返すことでしか、これしかないというところにはたどり着けないようなきがする。

絶対的な根拠はないんだけど、そうやって真理に近づいていくようにするしかないんだなあといったことがこの本には書いてあった。

建築ディテール「基本のき」

真鍋恒博の「建築ディテール「基本のき」」を読んだ。

構法クイズで原理を学ぶ 建築ディテール「基本のき」

構法クイズで原理を学ぶ 建築ディテール「基本のき」

 

クイズ形式でディテールの仕組みが分かるようになっていておもしろかった。

 僕はディテールをこねくりまわすほうじゃないと思うけど、構法には興味があるし、実務でもできるだけ自分がやったことのない構法(基本的なもの)を試したいと思っている。基本的なものには基本的なものなりの必然性があるし、新しいディテールを開発するときにも基本の原理が分かっていないとできないと思う。