ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

カフカの「城」を読んだ。

新潮文庫のやつをバリューブックスで買って読んだ。

最近ほしい本が出てきたらまず図書館で検索、なかったらバリューブックス、それでもなければアマゾンや本屋といった順で探したりしている。

バリューブックスのサイトで出てこなくても、アマゾンに出品しているバリューブックスにはあるという現象にも遭遇したのでどうなっているのかよく分からない。

例えばこの建築文化のバックナンバーは学生の頃大学に置いてあって穴が開くほど読み込んでいたもので、ずっと古書店などで探していたけどないのであきらめていた。

最近バリューブックスでもしやと思い検索したけど見つからず、ダメもとでアマゾンで検索したらなぜかアマゾンに出品しているバリューブックスが4500円で出していたのですぐぽちった。ラヴィレットのコンペ案(OMA)やハノーヴァー万博オランダ館が掲載されていてすごくいい特集だった。ブリュニエという天才を知ったのもこの本だった(というかこれ以外の日本の本でみかけた記憶がない)。

城の話に戻るが、まあまあ長いしなんの話かよく分からないけど結局最後まで読んだら続きはどうなるのかすごく気になる話だった(この本は未完のままカフカが亡くなっているので)。城に仕事でよばれたけどいつまでたってもたどり着けないといった話で、自分を説明するものが職業になってしまった近代にあって、それがないことによる疎外感とか、官僚制が本来ひとのためにやっていることが、結局何のためにやっているのか分からなくなっている感じとかがえがかれている。

学生の頃ハイデガーを読んで疎外とか、現存在とか書いていた意味がちょっと分からなかったけど、城を読むとなんでハイデガーがそのあたりを問題にしていたのか分かる気がするし、今もそのときとたいして変わらない問題(疎外感や奇妙さ)があると思う。