ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

GA日記

二川幸夫の「GA日記」を読んだ。

GA日記

GA日記

  • 作者:二川 幸夫
  • 出版社/メーカー: エーディーエーエディタトーキョー
  • 発売日: 2009/08/01
  • メディア: 単行本
 

二川さんが建築の撮影のために海外(主にヨーロッパとアメリカ)に行っている間の日記。1年の2/3は撮影のために海外に行っているということだからほんとにすごい。 これを読むと、撮影や取材はスタッフと分担してやってるわけじゃなくて、全部二川さんが直接行っていい建築かどうかを確認して載せるべきかどうか決めてるみたい。

アメリカやヨーロッパを旅するとき、機材のことなどあってほとんど車で移動するらしいんだけど、車のほうが移動中にいろんなものが見ることができてそれぞれの関係性とかもわかったりするんだろうなと思った。

この本には僕が学生の頃好きだったbolles+wilsonとか、海外に見に行った建築がたくさん出てきて懐かしくなった。とにかくいろんな現代建築が出てきてなんかいろいろ学生のころを思い出した。自分が作っている建築や作りたい建築は地味なものばかりだけど、やっぱり見に行ったりするのはこういった派手なやつがいいなと思う。

人間

又吉の「人間」を読んだ。

人間

人間

 

主人公が又吉なのか、出てくる芸人の友達が又吉なのか、たぶん両方なんだけど、いつもの夢を追う若者(もしくはかつては追っていた人)の なんともいえない不安定な時期の話。自分も学生の時は何ともいえない不安というかこのまま夢を追うようなことをやっていていいのか、あきらめるとしたらどうやって見極めたらいいのかよくわからず、周りも尖ってるやつらが多くてめんどくさかったけど、今思えばそういった衝突みたいなものはその時しかできなかったなと思うから経験できてよかったし、だからこそ又吉の小説がぐっとくるし、みんなどうしてるかなと思い出す(とはいえこういった小説を読んだ時だけ)。面白かった。

20歳のころから最低でも月四冊本を読むことを自分に課してきて、読書の記録もそれなりにつけてきたけど、そろそろそれもやめようかと思う。本を読む時間を捻出するの難しくなってきたし、死ぬまでに読める本も無限ではないのでちゃんと選んで本当に読みたいものをゆっくり読みたいと思う。新書、ビジネス本みたいなのはできるだけ読まないようにする(新聞とラジオとネットで十分)。古いものも含めて小説の割合を増やしたい。

GA JAPAN 162

 毎年買っているGAの総括と展望が載っている号を読んだ。表紙は隈研吾

GA JAPAN 162

GA JAPAN 162

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: エーディーエー・エディタ・トーキョー
  • 発売日: 2019/12/27
  • メディア:
 

 新建築とかも大して読み込んでないから(一応立ち読みで毎号確認)せめて1年に1回くらい流れを確認しておこうと思ってこれを毎年読んでるんだけど、冒頭で二川さんが言われている通り大した変化はないように見える。オリンピックとかもあるけど。渋谷の話も東京に住んでいない自分からしたら全然ピンとこない。いよいよ全体の流れとかなくて、みんなが同じ方向をみてなくて、それぞれが各自やっていてポストモダン的というか、小さな物語というかそもそもそれが自然という気もするし、特に大多数が興味を持つような事件的なものとかはあまり起きないのかもしれない。ただ、器用にいろいろまとまってるものよりも粗削りで謎なものがないかなと探してしまうのは自分が年取ってきて自分より若い人が活躍するほうがいいなと思ってるからかもしれない。というかもしかして隈研吾内藤廣がたくさんつくっていること(掲載されていること)が原因なのではと思ってしまった(お二人は別に悪くないんだけど…)。

FlexiSpotの電動昇降デスク

FlexiSpotの電動昇降デスクを買った。アマゾンで4万円くらいだった。

 去年は2月から4月にかけて、実施設計が何件か重なってしまって、図面の描きすぎ(マウスの使い過ぎ)で手を痛めた。4月には腰も痛めた。手も腰も同じ姿勢のとりすぎがだめだということで昇降式のデスクを買ってみた。国内のオフィス家具メーカーのものだと15万円くらいするけど、FlexiSpotのものだと4万円くらいで買えて、かなりまよったけど安いほうにした。安いけどちゃんと1センチ単位で上げ下げできるし、昇降中に何かにぶつかったら自動で止まる。高さを3つ記憶できて、自分は65、70、97センチに設定しつつ、その時々の楽な高さに適当に変えている。手でぐるぐるまわす手動タイプもあるけど、絶対めんどくさくなってやらんなと思ったので電動でよかった。youtubeとかほかのブログでの紹介を参考にして決めた。

天板はこれにはついてこないので、今まで使ってたシナランバーの天板(UC塗装、1800幅)を使っている。組み立てはセルフだったけど、2人でやって1時間もかからなかったと思う。ついでにデュアルモニタ用のモニタアームも買って机をすっきりさせた。昇降するときに一緒に配線関係も上下するからコンセントタップを天板に取り付けるとかUSB等の整理が必要。

2カ月程度使ってみて今のところいい感じ。ずっと立って仕事するのはもちろんしんどいので全体の30%程度だと思う。立ってやる他、座って作業するときも適当に高さをいろいろ変えてやるのがいいんじゃないかと思う。背中の張りがずっとあったのもなくなった。手の痛みもいまのところ改善されている。ストレッチをこまめにやったり、軽い筋トレをしたり、酒を控えたり、そもそも実施設計でいろいろやってたやつの現場がスタートして外出している時間が増えたのもあると思うけど。

今年は大型の物件も動いているし、筋肉関係も含めて体調に気を付けたい。住宅の仕事は自分の成長のためには大事なんだけど、時間をかなりかけてしまう傾向にあるので、今進めてるものが片付いたらしばらく受注を控えようかな…

自由思考

中村文則のエッセイ集、「自由思考」を読んだ。図書館で借りた。

自由思考

自由思考

 

 この本はワイフが図書館で借りてきてくれた(僕は中村文則が好きなので読むだろうと)。とてもいい本だった。感謝。

三つの章に分かれていて、最初はわりとくだけた話(好きなAV女優の話等)、2つ目はまじめな話(政治、社会問題)、3つ目はいろいろ。

中村文則の小説はいつも暗いんだけど、最初の章を読むと、この人自体は冗談(やAV女優)も好きなおもしろいなんだなということがわかる。社会問題の話などは、ヘイトと表現の自由の何が違うか、本当に愛国心があるなら幼稚なことはすべきでない等、もやもやしてたことが分かりやすく整理されていてすごいなと思った。

この人の小説はほんとに暗い話ばかりで、でもなんだか読んだ後はなぜかすこし楽な気分になる。「暗さを肯定するために文学をやっている」「文化は全ての人に平等に開かれている」とどこかで書かれていたのを思い出した。

僕も大学生の時暇すぎて(バイトも受からないし、バスケ部もクビになるし、友人も特にできず)何をやったらいいかよくわからなかった時、図書館の閉架にこもって片っ端から本を読むというプロジェクトを自分で勝手にやって助けられた。

自分はいつか何か大きな過ちを犯してすべてを失ってしまうのではとなぜかたまに想像してしまうんだけど、そうなったらなったで仕事なんてやめてしまって図書館の本をまた片っ端から読んだり、NBA中継や海外ドラマをひたすらみたり、ジョギングとかバスケをしたり、それはそれで忙しいなと考えると心が落ち着く。

三体

劉 慈欣の「三体」を読んだ。図書館で借りた。

三体

三体

 

中国の小説ははじめて読んだんだけど、登場人物の名前がなかなか覚えられなかった。

日本語読みにしたほうがいいのか、そのままで読むべきかなかなか統一できなかった(王をワンと読むか王と読むかといったこと)。結局日本語読みにした。

内容は壮大なSFで、壮大(宇宙人)とみせかけて実は内部犯かもと思ってたらほんとに壮大だった。本格的に壮大な話で、それはそれでおもしろかったしあまり本格SFを読まない自分にとっては新鮮だった。

 

無限の弦

古谷田奈月の「無限の玄」を読んだ。図書館で借りた。

無限の玄/風下の朱 (単行本)

無限の玄/風下の朱 (単行本)

 

 神前酔狂宴を借りようと思って図書館に行ったら借りられてたので、代わりにこれをかりた。結構おもしろかった。

父親が何度も生き返るという謎の設定、しかも男しか出てこない。もう一つ収録されている「風下の朱」は逆に女しか出てこない。