ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

ロジクールM500

マウスの動きがどうも調子悪くなってきたので買い換えた。左クリックがどうも押しっぱなしになってしまうみたいで、エクセルとかを使うときに1マス選択しようと思っても縦3マスぐらい同時に選択したみたいになってしまう。5年もほぼ毎日使っていたからしょうがないんだろうけど。

今回買ったのはロジクールのM500。

Logicool ロジクール 有線レーザーマウス M500t

Logicool ロジクール 有線レーザーマウス M500t

 

無線のマウスはCADの種類によっては線が飛んで見えたりしたことがあったので、有線限定で探していたんだけど、どこのメーカも無線が主流になっているみたいで、今回はマイクロソフトロジクール以外は考えてなかったので、あまり選択肢はなかったんだけど、いろいろレビューを読んでみてみんな満足してそうだったのでこれに決めた。マウスを酷使する人のレビューってだいたいゲーマーだからCADユーザーとかで参考になるのかどうかは謎なんだけど。

左右非対称のマウスを持つのははじめてなんだけど、確かに持ちやすいかも。僕のマウスの持ち方は、人差し指と中指をちょっと立てるような持ち方なんだけど、このマウスは割と大型で重量もあるのでかぶせるような持ち方にしないと疲れるかも。ただ、僕はポインタの移動速さを標準くらいの設定にして、距離がある時はマウスを持ち上げたりするのがくせになっているので、なかなか矯正はむずかしい。

マウスの左側にボタンが二つあって、デフォルトではウェブブラウザの戻る、進むが割り当てられてるんだけど、それはマウス持ってるんだからクリックすればいいのではと思って、CADでよく使うけど、キーボードの右側にあって使いにくいページアップとページダウンを割り当ててみたけど、もちろんまだ慣れない。

スクロールホイールが高速に切り替えられるのがうりみたいなんだけど、使いこなせるかどうかわからない。

(追記)

3日くらいつかってみてちょっと指がつりそうになったのでこのマウスはやめた。

多分僕のマウスの持ち方が原因だと思うんだけど、150gという重さはやっぱりちょっと重すぎるかもしれない。あと、サイズがちょっとでかすぎるかも。

有線限定で探していたんだけど、もう無線でもいいかもと思ってきた(線が飛ぶ問題はモニタの方に原因がありそう)ので2000円程度のやつをいくつか試してみようと思う(高くて重いマウスは僕にはあわないと思うので)。

コクヨ キャンパスダイアリー

手帳を買った。コクヨのキャンパスダイアリーのA5。

 ここ数年は4月はじまりのほぼ日手帳を使っていたんだけど、去年のを見返してみるとカレンダー以外はほとんど使っていなくて、他のページ(1日毎のところ)はメモ用紙として使っていただけだったので、かさばるし、もっと薄っぺらいのでいいやと思って、これにいきついた。これは1月はじまりしかないみたいだから、今度から1月に買わないといけないな(結構さがした)。

見開きでカレンダーがあって、ノートのページが15枚くらいついている。

1日のスケジュールがすごくたくさんあって記入しておかないといけなかったり(そんな人ほとんどいないのではと思う)、日記を書いたりしないならこんなのでいいと思う。A5だからipadminiと同じサイズで、机に重ねておいたときになんとなくすっきりする。

スケジュール管理というか、物件進行管理とかやることリストとかは、サラリーマン時代からエクセルでやっていて、最近はクラウドできてどの端末からも見たり書いたりできるから便利だし、ちょっとしたメモとかはメールで自分に送るスタイルが気に入っている。日誌もワードで書いている。なんか便利なスケジュールアプリとかもあるんだろうけど、PCで書いたりすることを考えたら、普通のソフト(オフィスとか)が使いやすいのではと思う。

まちの駅ゆすはら

隈研吾設計のまちの駅ゆすはらに行ってきた。宿泊もしてきた。

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正面の外壁は茅でできている。ブロック化された茅は回転して換気できるようになっているらしい。側面はパネル化した板張り。

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中はこんな感じ。にょきにょき生えた枝が屋根を支えているように見える。

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天井には丸太の端っこが使われている。丸太の端っこは木取り(丸太からどういった木材を取るかということ)でも余ってチップとかにしたりするしかないと聞くので、これは歩留まりを良くする上でもいい考えだなあと思った。原木の価値も上がるし、仕上材としてもローコストになるのでは。

 部屋は和室に泊まった。

壁は織物ぽいクロスで、雲の上のホテルよりもいい意味で力が抜けてていいかなと思ったんだけど、ディテールというかやっぱりその辺は徹底して枠を消そうとするところがほんとにいいのかどうかうーむといった感じだった。

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これなんかは正面から見たら縦枠がなくてすっきりみえるんだけど、横に回ると上枠の断面やアングルがみえてしまってほんとにこれでいいんだろうか。上枠の断面が四角ならまだいいんだろうけど、見附を小さくするためか、斜めにしてあるので、横から見た時があれなのでは。ちなみにエアコンは黒く塗ってある。

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壁と床の取りあいは底目地になっているんだけど、建具とからむとこがこんな感じになっていて、これなら普通に畳寄せにした方がかえってすっきりするんじゃないかと思った。

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枠をつけないとクロスもやぶれる。

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洗面室と前室で壁仕上が変わるところも底目地ですっきりと。

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ただ、引き戸を閉めると洗面室側からクロスがみえる。 

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洗面室の足元もこんな感じ。ペンキの出隅はやっぱ弱い。

今回は小姑みたいなことばかり書いてしまったけど、自分自身、すっきりさせようといつもディテールをこねくり回しているので、こういうのは本当に勉強になる。公共施設でもいいんだけど、宿泊施設は特にゆっくりみれるのでありがたい。

 

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廊下の壁は吹き付け。隈さんとこのサインはいつもかわいいので参考になる。

帰りにこの施設の向いのカメラ屋さんによってコーヒーを買った。なぜかカメラ屋さんがコーヒーを売っているんだけど、他にテイクアウトのコーヒーをやっているところがないからやっているとのこと。なぜか話し込んでしまって、いろいろいい話が聞けた(隈研吾がコンペや入札の手続きなしで連続して受注していることへの不満や、たいした観光資源がないのに観光でなんとかしようとしてしまう自治体への不満など)。僕も地方でたいした観光資源のないところだし、ひらがなの「まちづくり」はなんだか苦手だから共感するところもあったけど、温泉は好みの泉質だったし、隈研吾設計の建築がたくさんあるから行こうと思ったのは事実だからなんとも複雑だった。

バラカ

桐野夏生のバラカを読んだ。

バラカ

バラカ

 

 session22に桐野さんが出演されてて、気になったのでさっそくkindleで買って読んだ。

震災で原発4機が全部爆発したという設定なんだけど、それだけじゃなくて、人身売買、虐待、レイシスト、インターネットの問題とかが重層的(ラジオではミルフィーユ状と言われていた)にえがかれていてよみごたえあった。

川島という男が出てくるんだけど、ありえないくらいいやなやつで、ありえなさすぎて非現実ぽいんだけど、現実にはありえないくらい悪魔的なことも起こるってことなんだろうか。

雲の上のホテル

雲の上のホテルに泊まってきた。設計は隈研吾

和室の部屋に泊まったんだけど、割と安かったと思う。露天風呂が改修中だったからかもしれない。宿泊者は大浴場が使えて、客が少なかったからゆっくり入れたし、湯の感じも好みだったし、朝食もおいしかったので、宿としては満足だった。

部屋の外部側の建具は木製建具の内側にアルミサッシが入っていたから、もしかしたら寒くて後で追加したのかもしれない。この辺は結構雪が降ると地元の人が言われていた。

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間接照明がなかなか斬新だなと思った。スチールブラケットに障子が留めてある。

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入り巾木のディテール。ドアの枠を見せずにフラットに収めてあるんだけど、やっぱり塗装が割れる。入り巾木のとこも下地を切り替えてあるところで割れている。こういう収まりはやっぱり難しいことがよくわかって勉強になった。

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室内のドアもなかなか斬新で200Φくらいの穴が開いていて、ガラスも何もはまっていない。建具の高さは2400で、幅は1200と1800。とても重い。

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戸当たりはこのタイプ。壁は吹付左官材だった。

ちなみに大浴場の天井(というか屋根というか)が膜かなにかでできていてすごく寒かった。まあ露天風呂だと思えばいいのかもしれないけど。

梼原町総合庁舎

梼原町総合庁舎をみてきた。隈研吾建築都市設計事務所の設計で2006年の竣工。

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外装はパネル化された木材(杉かな)。

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よく見ると日の当たる側の木は反っているけど、築10年近く建っているわりにはきれいなんじゃないかと思った。軒がしっかり出ているというのもあるんだろうけど、ちゃんとメンテナンスされているのかもしれない。

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構造は大断面の集成材(たぶん杉)。スパンはかなり飛んでいるようにみえる。交差した井桁状の梁がかみ合ったような横架材で飛ばしてある。面積は3000㎡を超えるといろいろ法的に厳しくなるので(耐火要件など)それ以下に抑えてあるはず。

柱の足元はこんな感じ。太めのドリフトピンみたいなのが打ってあるようにみえるけど、よくわからなかった。

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なんかすごいのがついていて、これもよくわからなかったんだけど、たぶんこれで開けたり閉めたりするんだと思う。

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総合案内板。これも板でつくってあった。

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トイレの床は湿式使用になっていた。今は屋内だと乾式が主流だと思うけど、たまに要望で湿式のリクエストがある(いままでそうだったからという理由がほとんどだと思う)。

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湿式だとトイレブースの足元は脚式になる。できれば巾木をつけたほうが落ち着いて用を足せると思うので、できるだけ乾式にもっていきたいところ。

非常識な建築業界

森山高至の「非常識な建築業界」を読んだ。

非常識な建築業界 「どや建築」という病 (光文社新書)

非常識な建築業界 「どや建築」という病 (光文社新書)

 

僕はこの人のことを国立競技場問題がおこるまで知らなかったんだけど、この本に限れば結構いいことが書いてあるなと思いながら読んだ。 

建築家=アーティストみたいな価値観だけになると確かにどうかと思うし、僕も槇さんのヒルサイドテラスみたいな建築がどちらかというと好きだけど、ヘンなとんがった建築もないとつまらないような気もするし、結局のところ多様性がなくなるのが一番つまらない状態だと思う。どんな建築がいい建築かについては、僕もずっと考えているけどまだ全然答えが出ていない。

アーティスト問題については、「アーティスト症候群」という本に書いてあるように、建築業界に限ったことではない。

paychiku.hatenablog.com

こういった承認欲求みたいなものは、最低限のものがそろった時代にはどうしてもでてくることなんじゃないだろうか。ただ、個人の表現を公共的なものでやってしまうのがどうなのかということになるんだろうけど。 建築は専門家と消費者の情報の非対称性が大きい分野だと思うから、良心的であることが大前提なんだけど、表現建築家みたいなひとたちも、それが社会とかクライアントにとっていいことだと本気で信じてやっているからややこしい。ヘイトスピーチをやる人たちもそれが悪いことではなくて、いいことだと信じてやっているというのをラジオで聞いてなるほどなと思ったことがある。

この人みたいに一般の人に建築のことをわかりやすく伝えることも大事だけど、一般の人の方も、文化的なあごの力というか、分かりにくいものをかみ砕く力をつけないと、結局わかりやすい価値観の方に流されていってしまうだろうからなかなかあれだなと思う。

実際国立競技場のこととかは、でかいとか、お金がかかるとか、木を使うといい感じだとかそういったわかりやすい話ばかりになってしまってあれだったし。