ぺいちくのブログ

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クォンタム・ファミリーズ

東浩紀の「クォンタム・ファミリーズ」を読んだ。

クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)

クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)

 

 平行世界が複数ある多元宇宙SF。途中から今どの世界にいるのかよくわからなくなった。というかそもそも本当に平行世界を移動しているのか、世界は本当にあるのかという疑いもでてくるし、そもそも現存在と虚構の違いってなんだっけといったようにわけわからなくするのが狙いなんだろうとも思う。

平行世界あるいは時間移動ものってやっぱり過去のうまくいかなかったことや失敗や過ちをなかったことにしたい、やり直したいといったことになるんだけど、この本でも根底にはそれがあった。

村上春樹の35歳問題(人生の折り返しを過ぎると可能性が収斂してくる)がこの本でもでてくるけど、確かに自分のことを考えてもあとはこの流れでいくしかないといった感じになっている。かといって別の人生の可能性を考えて涙がでたりすることはない。

平行世界物のドラマや漫画が最近多い気がするけど、なんか理由があるんだろうか。