ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

A

中村文則の「A」を読んだ。

図書館で借りて読んだ。短篇集だった。

病院の待合で読んでいる途中いくつか官能小説みたいなのがあってどうしようかと思ったけど、たぶん誰もみてないはずだから普通に読んだ。

最後の「二年前のこと」は小説というよりほんとの話なのかもしれないけどなんか心にくるものがあった。一つのことを成すために他の物(人間的なもの)をなくしてしまっているかもしれない、ということは小説家だけではなくてみんな何かしらあるかもしれないので。

この短篇集の中でいくつかでてきたもので印象的だったのが、年を重ねればタフになると思っていたけど全然そんなことなかったということ。僕もそう思う。肉体的に弱ってきたからとかではなく、世の中のこわさ、難しさなどを思い知って、配慮しないといけないことの多さや、何か見落としてないか気にしたりでタフになんかなれない。若いときのほうが分かっていなかったり、分からないふりしていろいろできた。もう少し年をとればタフになれるのかもしれないけど…。