ぺいちくのブログ

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コロナ時代の哲学

大澤真幸國分功一郎の「コロナ時代の哲学」を読んだ。

コロナ時代の哲学

コロナ時代の哲学

 

 薄い本なのですぐに読めた。内容もそこまで難しくなかった。アガンペンのコロナに対する議論(死者の問題と移動の自由)をもとに話がすすめられる。ロックダウン等の緊急事態が法的にありなのか、緊急事態は例外として権力にいろいろ決められてもいいのか、人間中心主義ではなく、生者中心主義になっているのでは等、短い中に論点がいろいろあっておもしろかった。そもそも「法の起源には法以前の暴力が仮定」「憲法があるということは、憲法制定権力があった」等の指摘はたしかにそうだなあと。法律と法律を守らせる何か(たぶん権力というか暴力)とかのことを考えるとそもそも法とか国家の前に人間なんだよなあということを考えてしまう。

最近読んだ数冊によく出てくるのがアレントの「人間の条件」で、「人間の条件」は以前に読んだんだけど、買って途中まで読んで放置していた山本理顕の「権力の空間/空間の権力」をそろそろ読む時がきたなと思っている(だいぶ前にkindleで買ってた)。アレントの話がなぜ建築に関係あるのかいまさらだけど(というか今だからこそ)分かってきた気がする。