ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

「利他」とは何か

「利他」とは何か を読んだ。

いい人だと思われたいとか社会的な評価を得たいための利他的な行為は結局のところ利己的。

よく善意の押し付けとかありがた迷惑、偽善者とかって言われる。 

内藤廣は善意の断りにくさについて、「善意のディフェンス」と言っていた。

東京ポッド許可局でも「必要悪ー不必要善」について話されていた。

利他はかなりうさんくさいと思ってきたけど、もっと反射的、受動的な利他ならいいのかも。反射的な利他や受動的な利他は見返りを計算していないはず。

 

國分さんの最近の本を読むと自分の意志とか無からの創造とかもほとんどないなと思う。自分が設計している建築なんかはぜんぶすでにある技術の組み合わせだし、何か要望とかがあって初めて設計がはじまる。こっちから提案することはあるけど、そもそものスタートが依頼者からはじまっている時点でかなり受動的。いろいろ出てきた話を無理なく違和感なく成立させる作業が大半。アウトプットに差はあるかもしれないけど、そこに創造ぽいことを無理に盛り込むよりも、整理していく過程で出てきた謎のものがなんか面白いんじゃないだろうか。リノベーションがいま面白いのもそういったことが関係しているんだろうなと思う。