ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

そろそろ左派は〈経済〉を語ろう

「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」を読んだ。

 「右翼の戦後史」を読んだ後になんとなく左の本も読みたいなと思って買って読んだ。

右は内と外で分けるけど、左は上下(金持ち/プロレタリアート、難民等マイノリティ)で分けるといった整理の仕方はわかりやすいなと思った。

外国人労働者を低賃金で雇うと国内の労働者と競合してしまって、結果対立してしまう。すると国内の労働者は排外的になって右の政党を支持する(そもそもこの右の政党が外国人を低賃金で雇えるような仕組みを作ったとしても)といった謎の現象が起こっている。全体を守る(賃金を上げるなど)ことが必要。

 

 

「右翼」の戦後史

安田浩一の「「右翼」の戦後史」を読んだ。kindleで読んだ。いい本だった。

「右翼」の戦後史 (講談社現代新書)

「右翼」の戦後史 (講談社現代新書)

 

 なんとなく「右翼」と聞けば街宣車とか最近だとネトウヨとかヘイトスピーチなどの物騒なイメージがあったんだけど、ちょっとイメージが変わった。本当というか、保守本流の筋が通ったちゃんとした右翼の人たちもいるんだなと思った。

この本の著者の安田さんはできる限り一次情報にあたられてるので(これはすごく大変だったのではと思う)、何か迫るものがあった。安田さんは右翼でなないんだろうしけど、本来右翼はこうあるべしみたいな著者のいら立ちのようなものも書かれている。

もともと左翼の人たちが右翼に転向したケースが多いことにも驚いた。社会への関心が高い人たちが左から右に振れたりすることがあるということ。そもそも関心がなければどっちかということもない。自分のスタンスに無自覚でいることや、デマに踊らされたり、全く無関心だったり、そういうのが一番よくないなと思った。

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」を読んだ。kindleで読んだ。

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

 

 数年前に同業(建築設計)の友人に強くすすめられて買ったんだけど、なんとなく苦手でなかなか読み進められなかったんだけど、ようやく読み終えた。

気合の入った感じのプレゼンや演出過剰なものは苦手だなあと思ったんだけど、みんなやっぱり相当時間をかけて準備をしてるんだなあということはよく分かった。

GARMIN ForeAthlete230J

GARMIN のランニングウォッチ「ForeAthlete230J」を買った。

 長年ipod nanoNike+を使ってランニングの記録をとっていたんだけど、4月ぐらいからどうも同期もされないし、サイトにアクセスできないないなと思ってたら、Nike+はアプリだけになってしまってた。スマホかアップルウォッチのどちらかでしか使えなくて、ipod nanoNike+に対応しなくなってしまったということで、どうしようかなとしばらく悩んでいた。

長年使ってきたNike+の記録がなくなるのもなんか寂しいし、スマホを持って走るのはかさばるし(そもそも僕が持ってるのはipod touchであって、スマホは持ってない)、アップルウォッチを買うのは馬鹿らしいしと思って色々調べてたら、ガーミンのアプリとNike+のアプリを同期できることが分かったので、迷わずGARMINの時計を買った。これの上位モデルの235J(心拍計がついている)と若干迷ったけど、距離さえ測れればなんでもいいやと思ってこっちにした。

色は表が黒で裏が白のやつを買ったんだけど(別の色はパープルなので、迷わずこっちにした)、時計つけたまま草刈りとかをしてたら白いとこが土で汚れて、なかなか汚れが目立つ。

この時計だけつけて走ってあとでスマホ(私の場合はipod touch)と同期すればいいだけなのでかなり身軽になった。走り始めのGPSの捕捉も早くて快適。ビルがたくさんあるところでもちゃんとGPS(みちびき)がとらえると買う前に確認したレビューにも書いてあって、まあうちのほうは田舎だからビルなんてないけど、でかい木がたくさんあるところを走ってもちゃんと距離が測れていた。

初期のNike+のころは靴にセンサーが入っていてそれとipodで距離を測るという仕組みだったので(それはそれで当時はすごいと思ってすぐ買ったんだけど)ずいぶん簡単になった。

といっても走るときはラジオクラウドポッドキャストを聞きながらなので変わらずipodは持って出ている。イヤホンがまだ有線なので、ワイヤレスのなんかええのないかなと探しているところ。

SketchUP

「やさしく学ぶSketchUp」を読んだ。というかこなした。

やさしく学ぶSketchUp[SketchUp Make/Pro 2017対応]

やさしく学ぶSketchUp[SketchUp Make/Pro 2017対応]

 

 今年の設備投資はソフト関係にしようと思い、SketchUpPro2018を買った。土のソフトにするか若干迷ったけど、機能がシンプルなことと(BIMとかはいらない)予算、買い切りのスタンドアロン版がいいなということで(最近はクラウド版とかが多くてややこしい)、SketchUpProにした。レンダリングができるPodiumとアニメーションプラグインのPodium Walker、素材を自由にDLできるPodium Browserがセットになったバンドル版を買った(全部で16万円くらいだった)。

マニュアルもついているけど、作りながら覚えれる本とかで勉強したほうが早いかなと思ってこの本にした。基本的なモデリングはこの本で覚えれたと思う。2日間集中してやったら課題をこなせた。簡単な住宅程度ならつくれそうな気がするので今やってる物件から試してみようと思う。

曲面のモデリングとか、細かいところはこの本ではカバーできてないはずなので、補完的に「SketchUpベストテクニック100」を買って読んだ。

SketchUp ベストテクニック100 (エクスナレッジムック)

SketchUp ベストテクニック100 (エクスナレッジムック)

 

 レンダリングプラグインのPodium関連の本は出てなさそうだったので、一通りマニュアル(40ページくらいのPDFのがついてた)を読みながら1日いろいろいじってみたらなんとなくできるようになったと思う。あとはやりながら試行錯誤するしかない。

学生の頃はFormZ、社会人になってからはVectorWorksでモデリングしてShadeでレンダリングをやったりしてたんだけど、SketchUpのほうが使いやすそう。レンダリングモデリングが別のソフトだと書き出しエラーとか読み込んだ後のデータ整理に割と時間がかかるので、やっぱり同一ソフトのほうが断然早い。モデリングもSketcUpだとガイドを3D上で描けるので、下書きに気合を入れなくていいので気分が楽。

今年はソフトのテコ入れ3つ。SketchUPをある程度手際よくできるようにするのと、木造の耐震診断(一般診断法)プログラムをやること(済)、もう一つは木造構造計算ソフトの買い替え(これから)。木造の一般診断法はいろいろソフトが出てるけど、一般診断法だけなら防災協会が出してるやつ(Wee)で十分だと思った(本についてるやつで9000円)。木造構造計算ソフトのほうは、インテグラルの「構造EX」を買うことにした。

なんでも分業化して専門的に掘り下げていく流れといわれてずいぶん経つけど、僕はあまり分業化(外注化)せずに中途半端な水準でいろいろできるようになりたいと思っている。分業化するほどもともと田舎にたくさん仕事がなかったから、田舎の設計おじさんたちは都会の人に比べていろいろできる人が多いと思う。

謎の独立国家ソマリランド

高野秀行の「謎の独立国家ソマリランド」を読んだ。

 ずっと積読になってたんだけど、ようやく読み終えた。

ソマリアの氏族を平氏、源氏、藤原氏、北条氏など日本史とくっつけてわかりやすくしてあるところなど、面白かったし、これがなかったら全然理解できなかったと思う(これがあっても多少しんどかった)。

ソマリランドでの民主主義のシステム、問題が起こった時の解決の仕方など(男が一人殺されたらラクダ100頭で清算)、なんかシンプルいいなと思った。

日本の二院制をワイヤップに「それは意味がないな」と言われるのもよくわかる。

「与党が両方の議会で多数派なら、自動的に法案は可決されてしまう。もし上の議会(参院で与党が少数派なら法案は通らない。もし下の議会(衆院)で多数派が三分の二以上なら上の議会はいらない。どっちにしても意味がない)」仰せの通りで、返す言葉がない。

ソマリランドは国際社会に認められたくてここまで進化してきたと書かれていた。

そしてソマリランドを認める、もしくは安全な場所として認めることで「平和になり、治安もよくなれば、カネが落ちる」。戦争を起こしたり、治安が乱れている場所にせっせとカネを落とす行為は、暴力と無秩序を促進する方向にしか進まないとも。

建築家のためのウェブ発信講義

「建築家のためのウェブ発信講義」を読んだ。

建築家のためのウェブ発信講義

建築家のためのウェブ発信講義

 

この本に載ってる人たちのことは知ってる人もいるし、知らない人もいたけど、どちらも興味深く読めた。各ウェブサイトをのぞきながら読むととても楽しかった。そもそもこの本の文章から著者の誠実さが伝わる。

 うちの事務所にはホームページしかない(いわゆるaboutとかworksしかないテンプレのようなやつ)。事務所のアカウントでのツイッター、インスタ、フェイスブック、ブログはやってない。

ツイッターとブログはこの「ぺいちく」という匿名アカウントでやっている。実名ではSNSの類はやっていない。時間をとられるのがいやだというか、面倒というのもあるけど、なんとなくゼロ年代のような楽しさがインターネットからなくなってしまった(ように自分が感じているだけ)のが大きな理由かもしれない。

知らない人から問い合わせあっても困るし、たぶん対応できないから、小規模な事務所でそういうのができる人は本当に能力が高いというか、すごいなと思う。うちの事務所は知り合いか紹介か入札。

僕もこの本の著者と同年代で、学生のころ菊池宏さんのHPをしょっちゅうみてて、HTMLのタグ辞典を引きながら見様見真似でメモ帳を使って自分のHPをつくった。今の事務所のHPもその時つくったものがベースにある。 学生の頃は建築家のHPを巡回するのがほんとうに楽しかった。

この本を読んで、事務所の情報発信の仕方を何か変えようかなとは思わなかったけど、自分の考え方を深めたりするために何かやりたいなと思った。

僕も事務所をはじめたころは事務所のというか個人名のブログなんかをやってて、そこから集客とかはなかったけど、出版社や本の著者、わりと著名な建築家の方からメールをもらったりしてなんかそのころは楽しかったなというのを思い出した。

ただやっぱり子供の友達のおとうさんやおかあさんなんかが読んでしまったらどうしようといった余計な自意識が働いて、そういうのはもうできんかな…