ぺいちくのブログ

本と建築のブログです。https://twitter.com/paychiku

アーバニズムのいま

槇文彦の「アーバニズムのいま」を読んだ。

槇文彦のことは僕が学生の頃から著作や彼が設計したヒルサイドテラス等に触れて、全面的に信頼できるなと思っていたし、誠実に建築と向き合われてると思っていたけど、新国立競技場のことがあってからちょっとよくわからなくなっていた。

何がいい建築なのか言葉で説明するとなるといまだによくわからないけど、ヒルサイドテラスやスパイラルなどはいきいきと使われていて本当にいい建築だと思う。

この本の中ではヒューマンな建築と書かれていたけど、そういったことは分かりにくいし、なかなか伝わりづらいと思う。

この本の中では<情景>をつくれるか、「現実のデザインされた姿に生命を与えるのに失敗している例をあまりにも多く目撃する」と書かれていた。SNSが普及してから写真映えするものがより広がって、なんかひどく単純化されているような気がするけど、もっと複雑でわかりにくいままでもいいのかもしれない。

最近自分が設計したものでいきいきと使われているか、そうじゃないかは自分の設計の問題というよりも、利用者側(運営側)の力のほうが大きいような気がしていたけど、まだこっち側にできることがあるかもしれない。ただ、自分のスタンスとしては設計の業務を超えたことはあまりやりたくないし、やるべきでもないとも思う(運営側に入ってしまうことは避けたい)。